2009年10月19日月曜日

社会の劣化を生み出す、利潤追求

少子化の影響で、実家の幼稚園は青息吐息であり、潰れる一歩手前である。
その中でも「時代を先取りして」経営規模を広げている幼稚園もある。

同じように、ぼくが非常勤講師をしている専門学校も如何にして学生を確保するかでさまざまな工夫を凝らしている。
有名私大も少子化の影響で、学生確保のために付属中学を増やす傾向となっている。
付属中学に入れれば大学までエスカレーター式に運ばれるようだ。さらに、全ての中学入学者は大学に入学できますと謳っているところも出てきた。

ぼくはある私立大学でも非常勤講師をしている。中学や高校からその大学の付属に入っていた学生は、高校から大学に入ってきた学生と比較にならないほど成績が悪い。
記述試験をやっているが、中学生でも書けるような漢字が書けないし、大学生なのにまるで小学低学年の生徒が書いたような平仮名が多いつたない文章に出合うと、子供の頃は優秀だったのに、試験がなくエスカレーター式に進級したきた結果が、考えることができない劣化した学生を生み出す結果になっている。もっとも考える力を育てる時期にほとんど考えないで悩まないで育ってきてしまったつけは大きい。

これが、多くの私学で小・中学から無試験で高校・大学へと進学できるようにすると、多くの劣化した社会人を生み出すことになる。

私立大学は自分の学校の「もうけ」という経営を考えるよりも、将来の日本や世界を背負って行くべき人材を作っていくのだという建学時の理念をもって学校経営を行って欲しい。

これが大学ばかりでなく、専門学校、高校、中学、幼稚園も将来を担う人材育成の場としての理念を考えるべきだ。それが「もうけ」の追求という経営を重んじているのは、劣化した人材を世に送り出すことをしているという反省をしてもらいたい。

この「もうけ」追求経営が、他のありとあらゆる法人の姿勢にもうかがえる。

あるいは、もうけ=利潤追求が、グローバル化の中で勝ち抜く姿勢であるかのように喧伝されていることで、法人も劣化の道を辿っている。

「もうけ」よりも社会還元を理念の柱にすべきではないだろうか?そうすることによって社会の劣化を防ぎ、生き生きした社会を生み出すことになると考える。

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