2026年5月24日日曜日

どうして肉食動物は頭骨を割って脳を食べないか?                    Why do'nt carnivora crack the skull and eat the brain?

   肉食動物たちは草食動物を襲って食べる。あるいは怪我したり、弱った哺乳動物の死体は肉食、雑食動物たちによって食べられる。第一に肉食・雑食動物たちが食べるのは内臓だ。だから、腹部から食い破られていく。次に食べられるのは胸や腹の肉や皮であり、前足後足の肉皮は次になる。次に首回りの肉や下顎や頬の肉や舌となる。が、死骸を見つけても頭骨はそのまま残っている。ネズミなどの動物によって骨盤、肩甲骨、肋骨、下顎骨の筋突起や頭骨の前顎骨部分が齧られることがあるが、脳が入っている前頭骨や頭頂骨、後頭骨はそのままである(図1&2)。オスジカもメスジカも死んだ後、動物に齧られながら斜面を転げ下ったりして上顎骨部分も欠落しているが、脳幹部分はそのままである。つまり、脳はタヌキやアナグマなどに食べられなかった。但し、アカネズミなどが大孔から入って脳を食べた可能性は疑えない。しかし大孔の周りの後頭顆は齧られていない(図2)。

図1.上から見た脳幹部分が残ったシカCervus nippon♂左とシカ♀右の頭骨
図2.底面から見た脳幹部分が残ったシカ♂とシカ♀の頭骨
 丹沢で拾ったキツネの頭骨も脳幹部分が残っている。また、マハレ山塊NPで拾ったカペの頭骨も脳幹部分が残っている(図3&4)。また、18日にアップしたウォターバックや水牛も肉食動物に食べられたが頭骨は残った。
図2.上から見たキツネVulpes vulpes左とカペBlue DuikerCephalopus monticola
 キツネは上顎骨部分が欠損しているが、脳幹部分はそのまま残っている。タンザニアのマハレ山塊NPで拾ったカペの頭骨は口吻部分が欠落しているが、動物に齧られたものではなく、肉食・雑食の小動物に運ばれている内に欠落したと思われる。
図3.底面から見たキツネ左とカペ右
 これらの4つの頭骨は食べられても脳頭蓋部分が残っているので、中・大型の肉食動物に身体は食べられても頭骨の中に入っている脳は食べられなかった。日本にはハイエナのような頭骨を噛み砕いて中の脳を食べる動物はいなくても小齧歯類が大孔から入って中の脳を食べたのかもしれない。しかし、大概が腐肉昆虫が大孔から入って食べ、あるいはハエの卵から孵った幼虫が腐った脳を食べただろう。ハイエナは骨や頭骨を噛み砕いて中の骨髄や脳髄を食べる。しかし、肉食動物に食べ残された骨や頭骨の全てを食べる訳ではなさそうだ。どうも、余程腹が空いた時の行動のように思う。そうでなければ、アフリカのサバンナにあんなに骨や頭骨が落ちている筈がない。
   中・大型動物が頭骨を割って脳を食べないのは、頭骨は固く、嚙み割る事ができないからだろう。アンデス山脈の猛禽ヒゲワシは骨を空中高くから落として岩場に当て、割れた骨の骨髄を食べる。

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