あのコエビガラスズメの蛹は、全体が茶褐色になった。やはり腹部の方が色が濃い(図1)。コヤツはこれから何日くらいで羽化するのだろうか?翌日には蛹全体が褐色になった(図2)。昨日の蛹の向きと少しずれている。これからこのカラを破って成虫のガに変身するのだ。今、まさにこの蛹の中で体液が循環して変身の準備がなされていることになる。完全変態とは動物の生活史の中でも実に奇妙奇天烈な現象だ。受精卵から胚発生が行われるのも不思議な生命反応の一つである。
チョウやガ、ハチやハエ、カブトムシは卵・幼虫・蛹・成虫の4段階の生活史を送る。一方、トンボやバッタなどの不完全変態の昆虫は卵・幼虫・成虫の3段階の生活史を送る。つまり、蛹の段階がない。バッタは幼虫時代から脱皮を繰り返して大きくなり成虫になるし、トンボはヤゴの幼虫時代を水中で行ない脱皮を繰り返し、最後に水中から出てきて脱皮して成虫のトンボになる。
図1.6月11日のコエビガラスズメの蛹
図2.6月12日のコエビガラスズメの蛹
バッタの不完全変態は姿形も生活史自体も同じような場で生活するので驚きはない。が、トンボは幼虫のヤゴ時代は水中でエラ呼吸であり、最後の脱皮で変態して気門から空気を吸う気管呼吸となる。バッタもトンボも幼虫時代も成虫時代も食物は殆ど同じだ。一方、完全変態の動物は、幼虫時と成虫時は全く異なる食物を食べる者がいる。チョウやガやハチやハエだ。
不完全変態のトンボは水中生活だったのが羽根で空中を飛び回るようにななるが、バッタは一生地面の上だ。しかし、完全変態のチョウ、ハチ、カブトムシは地上生活から空中移動生活へと大きく変わる。こんな動物は脊椎動物では、水中生活から地上生活をする両生類だけだ。そして、この両生類も水中時の幼生生活はエラ呼吸だったが、地上に上がって肺呼吸になる。この両生類も幼生時代と成熟時代とは生活スタイルが大きく変化する面白い動物と云える。
しかし、哺乳類はアカンボウ時代は親のミルクを飲むが以後は変わらない食事となる。鳥はどうだろうか?
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