2023年4月7日金曜日

下顎骨に関節後突起が無いウサギや齧歯目 Ragomorpha and Rodentia, which have no post Articulatio process

下顎骨を眺めていて、下顎頭が上顎と接する関節部分に、下顎頭が収まる下顎窩がある(図1の)。タヌキでは下顎骨がこれ以上後ろに下がらないようする関節後突起(図1の)がある。さらにこの突起は下顎頭を覆いかぶさるようになっている。つまり下顎骨の下顎頭は前方には動くが後方や上・下方には動かせない。この顎関節は多くの動物たちに見られる上腕骨と尺骨が接する関節のようになっている。このような関節後突起はタヌキを含む食肉類に見られる。
図1.タヌキの下顎窩()と関節後突起(
タヌキの関節後突起は下顎頭を後ろから包むように覆うが、ニホンザルの関節後突起は単純で下顎頭を包まないで、ただ下顎がこれ以上後退するのを止めているだけで下顎が下方への移動は可能だ。霊長類に見られる(図2)。
図2.ニホンザルの下顎窩()と関節後突起(
タヌキやサルの関節後突起は5,6ミリの高さがあるが、カモシカの関節突起は横長で外側は1,2ミリの高さしかない。このような関節突起はシカやキョンにも見られるので反芻類の特徴かも知れない。
図2.カモシカの下顎窩()と関節後突起(
アナウサギ(図3)とモルモット(図4)の関節部分には下顎窩はあるが関節後突起がない。ウサギ類や齧歯目には関節後突起がないのである。これだと下顎骨は後方にかなり移動できる。事実、ウサギや齧歯類の上下歯をしっかり嚙合わせると、下顎頭は下顎窩(側頭骨頬骨突起)から後ろに外れる(図5)。

図3.アナウサギの下顎窩(
図4.モルモットの下顎窩(
図5.ノウサギの下顎頭()の位置
ヒミズ(図5)やモグラ類で面白いのは、側頭骨に下顎窩()の凹みがあり、凹みの後ろが特に関節後突起にはなっていない(図5の)。つまり、側頭骨部分が凹んでいる。
図5.ヒミズの下顎窩()と関節後突起(
以上のように下顎骨と側頭骨が接するの顎関節部分を見て来たが、食肉目では下顎頭がしっかり押さえられているので、そこを支点にして肉を引き裂いたり、噛むことができる。反芻類では下顎頭の左右の可動が融通性があり、葉や草を下顎歯を前後左右に動かして磨り潰すことが可能なことを示している。ウサギや齧歯類では、下顎骨が前後に大きく動かして食物を嚙み砕いていることがわかる。
サル類は、左右の下顎骨が生後縫合して生まれ、下顎頭の支えとなる関節後突起がのタヌキのように下方の曲がり込みないので、大口を開けて固い物を噛む時に顎が外れることがあるのだ。
モグラ類に見られる下顎窩は、トガリネズミ科では頬骨弓が発達しないが、同じように側頭骨部分に下顎頭が接する下顎窩で形成されている。モグラ以外の哺乳類では下顎窩は側頭骨頬骨突起の根元に形成される。しかし、モグラ類の頬骨弓は糸状であるため側頭骨部分に下顎窩が形成されたのだ。

仏のマクロン大統領が中国の習近平主席に会って、ウクライナ戦争を終わらせるためにロシアへの和平交渉を話し合ったようだが、習近平主席からは良い返事を貰えなかったようだ。それしてもマクロンは国内で大規模デモが起こっているが、それには目もくれずに世界の注目の的であるウクライナの和平交渉への動きは、ウクライナへの援助ばかりでなく日本の政治家たちも見習って欲しい。しかし、フランスもインドもしたたかな外交を行う。

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