2023年1月21日土曜日

側面から見た真無盲腸目の下顎骨  The lareral view of mandibles in Eulipotyphla

日本産の真無盲腸目のモグラやジネズミの仲間はカワネズミを除いて主にミミズや小節足動物を食べている。だから、下顎骨の形状は似たようなものかな?

モグラ科Talpidaeのモグラとヒミズの下顎骨を見よう(図1)。モグラの方がa (筋突起)とb(関節突起)間の下顎切痕の切れ込みが浅く、c(角突起)も幅広い。

図1. モグラ科Talpidaeの側面からの下顎骨
上:アズマモグラMogera imaizumi 下:ヒミズUrotrichus talpoides
a:筋突起 b:関節突起 c:角突起(下顎角)
次にトガリネズミ科Soricidaeのジネズミとトガリネズミの下顎を比較すると、ジネズミのab間の下顎切痕は非常に浅いがトガリネズミでは深い。
さらに、トガリネズミ科の両者の角突起は細く伸びているが、モグラ科では幅広い角突起になっている。このモグラ科やトガリネズミ科の対象2種間の下顎切痕の切れ込みの違いや角突起のモグラ科とトガリネズミ科の違いはどのような事を意味しているのだろう。

図2.トガリネズミ科Solicidaeの側面からの下顎骨
上:ジネズミCrodidura dzinezumi 下:トガリネズミSorex unguiculatus
モグラの仲間の下顎骨では下顎角が尖った下顎突起になっており、それはモグラ科よりもトガリネズミ科の動物たちに顕著である。と云う事はトガリネズミ科の方がモグラ科の動物たちよりも昆虫食に特化していることを示しているのかもしれない。
次にまだ残っている齧歯目と食肉目を取り上げたい。

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