2022年11月7日月曜日

アナウサギとノウサギの頭骨の見分け方   How to discriminate between the skulls of rabit and hare.

 日本の兎形目には、ナキウサギ科とウサギ科が生息する。ナキウサギはリスよりも小さな兎形目の動物で北海道にしか生息しない。頭骨の鼻先から頭骨の後ろまで5センチにも満たない。ウサギ科はアマミノクロウサギPentalagus、ユキウサギLepus、ノウサギLepus、アナウサギOryctolagusの3属が生息する。アマミノクロウサギは鹿児島県奄美大島と徳之島に生息する天然記念物のウサギである。ユキウサギは北海道に生息する。本州・四国・九州の野山にはノウサギが生息する。アナウサギは家畜されたカイウサギであるが、飼育下から逃げた個体が時々市街地近郊で見ることがある。

ここではアナウサギとノウサギ(ユキウサギ)は見た目が似ていて、同じくらいの頭骨の大きさなので、簡単な区別の仕方を伝授したい。

図1.上面と底面からみた頭骨、 アナウサギ(左)とノウサギ(右)

①鼻骨(〇)が細く見えるのがアナウサギ、〇が幅広く見えるのがノウサギ、同じように②交尾孔からの幅(→ ←)が狭いのがアナウサギで、幅広なのはノウサギ、切歯孔や左右の臼歯間のも幅も同じ。

では、頭骨を横から見るとアナウサギとノウサギではどこが違って見えるか?

図2.頭骨側面から 上:アナウサギ 下:ノウサギ
図2の〇で示したように頬骨側頭骨突起が伸びて側頭骨頬骨突起と接し、さらに大きく伸びているのがアナウサギであり、ノウサギは側頭骨頬骨突起から少し伸びるだけだ。

さらに下顎骨では、橙色線で印した箇所(下顎切痕)のカーブの仕方で判ります。さぁー、図2の説明を見て!

図2.側面から見た下顎骨、上がアナウサギで下がノウサギ
明らかに下顎切痕の角度が違う。ほぼ90度なのはアナウサギだが、ノウサギは90度以上の幅広の角度だ。
尚、アナウサギの頭骨はアマミノクロウサギの頭骨に似ているし、ノウサギのはユキウサギの頭骨に似ている。

ウクライナは平地や丘陵で山らしい山は無いと思っていたが、あった。ホヴェールラ山と云い2061メートルでルーマニア北部との国境近くにある。

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