Y.Narita氏から着払いで送ってもらった秩父のメスグマの写真を撮っていて、切歯の並びが通常とは異なっているに気が付いた。
上顎の切歯の並びは通常であり、横一列に3対が並んでいる(図1)。が、下顎の切歯の並びが上下に並んでいるようでおかしい。
図1.秩父産のツキワグマメスの頭骨正面から
下顎の切歯の並びがはっきり解かるように斜め上から撮った(図2)。A,B,Cの3対の切歯がある。上下とも3対の切歯はイヌ、ネコを含む食肉目の動物たちの基本的な歯並びである。ネズミやリスの上下一対の切歯は第一切歯であり、ニホンザルやヒトの上下2対の切歯は第一切歯と第二切歯である。つまり、不要な切歯が無くなる時は第三、第二と順に消失していく。また、北極海の冷たい海にいるイッカクは左上顎の第一切歯が伸び続けたものであり、ゾウやマンモスの牙は上顎の左右の第一切歯が伸びたものである。これらはネズミやウサギの切歯が無根で伸び続けるので理解しやすい。
図2.秩父産のツキノワグマメスの下顎骨の切歯部拡大
上記の第一切歯の事を考慮に入れるならば、秩父産のツキノワグマのメスの下顎骨の切歯の並びはBが一番太く大きい切歯が収まっていたようだ。AはCは小さい切歯が収まっていたようだ。となるとBが第一切歯になるのかな?しかし、ゾウやマンモスやイッカクの牙?は上顎の第一切歯だ!しかし、むむぅ!シカの下顎の第一切歯は第二や三よりも3,4倍も幅広い。 ここでは下顎の切歯の並びを問題にしているのだ。このツキノワグマのメスの下顎の切歯の並び方に良く似た並びの食肉目の下顎骨があった。次回はこれらからBは第二切歯であることが解かったことをアップしたい。
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