新型コロナの事とタヌキ糞の事からいろいろ思いを膨らませている。
20歳の時の5月、南アルプスの生物調査と称して先輩たちと南アルプスの千枚岳、荒川岳、赤石岳の荒川三山を登って椹島に下りてきた時、キスリングの中の豚肉やサバの干物は臭っていた。それでも腐っている肉や魚でも犬は食べるっと云って食べた。全員が下痢になって帰る日を延ばした。
タイワンザルの調査で台湾の基隆港に着き、その日は基隆の宿に泊まった。5人の隊であった。先輩二人がお腹をこわした。どうも水か生野菜に当たったようだ。そんなことが東南アジアやアフリカ、さらには中国のサル調査でも生水を飲むと下痢になるからと沸かした白湯しか飲めない調査者がいた。ぼくは台湾でもアフリカでもサルを探して歩き疲れた時に沢があれば飲んだ。お腹を壊したことはなかった。村人の家に寄って素焼きの大きな水瓶に入った冷えた水を貰って飲んだことも何度もある。乾季のじりじり焼けるような太陽の下を歩いてくると、この水はすぐに身体中に染み渡った。ただ、マハレ国立公園の家ではインド製の素焼きでできた浄水器の中に容れた川の水を飲んだ。
20歳の時の5月、南アルプスの生物調査と称して先輩たちと南アルプスの千枚岳、荒川岳、赤石岳の荒川三山を登って椹島に下りてきた時、キスリングの中の豚肉やサバの干物は臭っていた。それでも腐っている肉や魚でも犬は食べるっと云って食べた。全員が下痢になって帰る日を延ばした。
それから、15年くらい後の事、奥湯河原のサル調査にベルギーからの留学生であるJ.Burtonさんが加わった。彼は腐って固まった牛乳はザルで漉してヨーグルト状になった固形物をパンに乗せて食べた。また、腐ってネバネバするようになった豚肉をニンニク、コショウ、玉ねぎ、塩などと一緒に細かく叩いて、パンを千切って混ぜ込みハンバーグにしてフライパンで焼いた。小屋の中は悪臭が立ち込め彼を除いて皆外へ出た。皆が止めるのも聞かず、彼はそのハンバーグを食べた。ぼくも食べた。腐ったような臭いだったが、食べると旨かった。
タイワンザルの調査で台湾の基隆港に着き、その日は基隆の宿に泊まった。5人の隊であった。先輩二人がお腹をこわした。どうも水か生野菜に当たったようだ。そんなことが東南アジアやアフリカ、さらには中国のサル調査でも生水を飲むと下痢になるからと沸かした白湯しか飲めない調査者がいた。ぼくは台湾でもアフリカでもサルを探して歩き疲れた時に沢があれば飲んだ。お腹を壊したことはなかった。村人の家に寄って素焼きの大きな水瓶に入った冷えた水を貰って飲んだことも何度もある。乾季のじりじり焼けるような太陽の下を歩いてくると、この水はすぐに身体中に染み渡った。ただ、マハレ国立公園の家ではインド製の素焼きでできた浄水器の中に容れた川の水を飲んだ。
どうも、ぼくらは過去に慣れてきた水がちょっと異なればお腹を壊したり、食事経験によって、腐った牛乳や肉は食べられないと思ってしまう。しかし、水は日にちが経つうちに慣れてしまう。一方、漬物にしても、飯寿司にしても、クサヤにしても、あるいは味噌、醤油、納豆やチーズ、ヨーグルトにしても腐らせたものだが、その腐った物を食べてもお腹を壊さない。それどころか旨いし、腸内細菌が働いて身体に良いことが多い。
さて、丹沢に生息する野生動物で腐肉食のものはツキノワグマ、タヌキ、アナグマ、イノシシ、アカネズミなどだ。テンやイタチなども死肉は食べるだろうが、タヌキたちのように腐って臭うような腐肉は食べないだろう。では、どうしてタヌキやイノシシたちは腐葉層の中の節足動物を腐葉と共に食べても、あるいは腐肉を食べてもお腹を壊さないのだろうか?
一つ言えることは、幼い時から腐った肉や腐葉を食べているので身体の中に免疫を持っているのは間違いないだろう。
現代社会は食物はもちろんのこと、履物までさまざまな抗菌グッツに囲まれている。販売されている食物には賞味期限までが書かれている。
我々の身体は外からも内からもさまざまな多様な生物的環境の中で生存している。しかし、現在の人たちはその多様な環境を壊し取り除いてきた。恐らく、狩猟採集を続けていた時代の人たちはインフルエンザ、新型コロナ、エイズ、エボラなどのウィルスにも耐える免疫を持っていたかも知れない。っと考えている。
現代社会は食物はもちろんのこと、履物までさまざまな抗菌グッツに囲まれている。販売されている食物には賞味期限までが書かれている。
我々の身体は外からも内からもさまざまな多様な生物的環境の中で生存している。しかし、現在の人たちはその多様な環境を壊し取り除いてきた。恐らく、狩猟採集を続けていた時代の人たちはインフルエンザ、新型コロナ、エイズ、エボラなどのウィルスにも耐える免疫を持っていたかも知れない。っと考えている。
200501
返信削除いろいろ、身につまされますね。
私も、スマトラのホテルで 一回くらいはいいだろうと思って飲んだ
生の水道水にあたって、一晩中 七転八倒しました。
まあ、今の日本も含めて先進世界は、“過剰清潔”ですね。
人類の将来はあまりないと 考えてますが、これが続くとねえ・・・。
新コロナさんとの〈共存〉という 当たり前のことを 考えている人も 少ないようですね。
山本 雄一郎
山本雄一郎さま
返信削除久し振りです。facebookで貴君を知り、あ!生きているぅーと感慨深かったですよ。
元気そうで何よりよりです。
今度、霊長類研を退官したK.W氏が上京したら飲みましょう!
彼が来たら連絡しますネ!
しかし、新型コロナはまだまだ長引くね。
呑み合えるのは暮れかな?来春かな?
たいへんうれしいご返事 ありがとうございます。
返信削除相変わらず 〈持続〉、ご健闘されておられるようですね。
はい、生かされております! 宇藤原でご一緒した折には、
実は ひどく病んでおりました。今は あの頃よりずっとずっと元気でおります。
邦夫さんとご連絡があるんですね。彼にも迷惑をかけてしまいました。
邦夫さんも さぞご苦労されたことでしょう。
実は 彼の後任の方と FBでの友達になっております。ご縁ですね。
新コロナさんは まだまだ長引くでしょう。
今の状況、基本的には 人類や「文明」 への いい〈警鐘〉を鳴らしてくれている、
と考えています。
ぜひお会いしたいですね! 楽しみにしております。
お体、どうぞお大事に!!!
山本雄一郎さま
返信削除貴君の名をつけたハナレザルオスを思い出しました。
宇藤原から半世紀近く経ったわけですね。
あの頃は瘦せ細っていたのに、今は成長期のように食べるとどんどん体重が増えます。
痩せた老猿は簡単に死んだので、ある程度太っていた方が環境の変化にも対応できて、
少しは長く生きられるかな?
などとダイエット出来ない事を正当化してます。
K氏とは何度となくメールで遣り取りしてますよ。
皆、呑めなくなった!
福田さま
返信削除はは、大きく木揺すりをしていた、耳の割れた ドジな♂でしたね。
『箱根山のサル』で、わざわざ 私の名前をつけて書いてくださり ありがとうございました。
サルにしてくれて うれしかったです。笑ってしまいましたよ。
あの頃、私は横浜の知的障害者厚生施設で 生活指導員をやっていて、
“利己的・利他的行動”についての読書会で、
「サルの子殺し行動」の紹介で使わせて頂きました。
上野動物園で 動物解説員をしていた折も、お会いできる機会はあったんですよね。
ぜひ と思っていたのですが、ちょうど休みの日で 八王子からも遠く 叶わずでした。
太られたとか!恰幅が良くなったんでしょうね・・・。
私は あまり体型変らずで、酒もそうとう飲めますが 自粛してます。
K氏には、どうぞよろしくお伝えください。
幸島での研究成果の本は読ませて頂きました。
折をみて みんなでゆっくり飲みたいですね。
私の方は、大腿骨を折ったり 左足が完全麻痺したりで
山は登れなくなってしまいました。リハビリで散歩位はO.K.です。
加えて イルカをやっていた頃の 左鼓膜の破れが今頃災いして 難聴も進行してます。
(数十万もする補聴器を買うつもりも余裕もないので 安物で済ませてます)
やはりトシはとるもんですねぇ。気はまだまだ若いんですが・・・。
ところで、ブログ投稿の形になってしまいましたが、
できましたらメールででお話しできれば、と思います。
これって 公開になってしまうんですよね。
後日チャットで 私のメルアドをお教えしますので、
できましたら 福田さんもそうして頂ければ幸いです。
では また・・・
山本 雄一郎