2020年2月29日土曜日

パプアニューギニアからのお土産3)切歯 が4/4のバンデクート  A bandecoot whoes incisors are 4/4.

昨夕やまぼうしさんからカモシカ死体の情報を受け、今朝、現場に行ってきた。それについては後ほどアップします。

PNGのお土産にA.PNGとサインペンで書かれたジプロックの小袋に頭骨だけが入っていた。下顎骨は左右別々だが、歯が全て揃っている。上顎の歯も全て揃っている。それもその筈、下顎骨も上顎骨にも乾燥した薄い膜が残っている。しかし、頭骨の大孔の周りの後頭顆などの骨が無くなっている(図2)。
図1. 頭骨と左右の下顎骨
図2の底面から見た頭蓋骨の口蓋骨が薄い膜に覆われているのが判るだろう。この口蓋にも大きな口蓋孔がある。24日アップした頭骨は70mmの長さがあったが、これは57mmだ。両者とも近縁の動物だ。で、Animal Dyversity WebのEchymipera kalubu https://animaldiversity.org/accounts/Echymipera_kalubu/specimens/  この頭骨が非常に似ている。これは、Peramelemorphiaバンディクート目の仲間であり、少なくとも、和名がトゲバンディクートの仲間であることが解った。
図2. 頭骨底面から
上顎歯式:4・1・2・4
図3. 上からの頭骨と下顎骨
下顎歯式:4・1・3・4
図4. 左側面からの下顎骨付き頭骨
図5. 右側面からの下顎骨付き頭骨
ウィーキペディアの日本語版のバンデクートhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%88%E7%9B%AEを見ると、切歯は5/3であるが、本個体は4/4である。平凡社の「動物大百科」6 有袋類では、ニューギニア生息のトゲバンディクートは4本の切歯を持つと書かれている。A.F.DeBlase&R.E.Martin著”A Manual of Mammalogy with Keys to Families of the World"では、切歯は4-5/3とある。PNGのお土産2)でアップした頭骨は下顎骨が揃ってなかったが、上顎の切歯は4である。
24日アップした頭骨長は70mm、今日のは57mmだ。いずれにしても両者とも切歯が4であるのでEchymipera属には間違いないだろう。

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