日本に持ち込まれた齧歯目のヌートリアは容易に同定できた。残りはリス科Sciuridae、ヤマネ科Gliridae、ネズミ科Muridaeの3科である。この中でリス科だけが明確な後眼窩突起を持つ(図1の赤丸部分)が他の2科(図2&3)は不明である。
以上のように、齧歯目で後眼窩突起があるのはリス科だけであり、他の3科には無いのだ。つまり、少なくとも日本産の齧歯目4科においてはリス科が他の3科よりも視覚に頼っていることが解かる。
尚、リス科の上顎の歯式は1・0・2・3であり、下顎は1・0・1・3である。上顎の前臼歯は2であるが最初の前臼歯は内側にありゴマ粒状に小さい(図4)。
図1.SciuridaeムササビPetaurista leucogenysの後眼窩突起
頭骨上面から
図2.ネズミ科MuridaeアカネズミApodemus speciosusの頭骨
後眼窩突起がない
図3.ヤマネ科GliridaeオオヤマネGlis glisの頭骨
後眼窩突起がない
from Animal Diversity Webhttps://animaldiversity.org/accounts/Gliridae/specimens/
日本産のヤマネのテン糞から出てきた臼歯や切歯は標本としてあるが、頭骨標本は持っていない。欧州に生息するオオヤマネもヤマネ科なのでAnimal Diversity Webの写真を拝借した。
尚、リス科の上顎の歯式は1・0・2・3であり、下顎は1・0・1・3である。上顎の前臼歯は2であるが最初の前臼歯は内側にありゴマ粒状に小さい(図4)。
図4.ヒマラヤシマリスTamiops mcclellandiiの最前位の前臼歯(赤い←)この頭骨は山西省の知人よりプレゼントされる。
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