2020年1月12日日曜日

日本生息の齧歯目の頭骨による科の同定3) Identification of families by skull of Rodentia living in Japan3)

日本生息の齧歯目4科の中で、ヌートリア科とリスはもう誰もが同定できる。残っているのはネズミ科とヤマネ科である。両科とも後眼窩突起がない小さな頭骨であり、頭骨を上から見たらネズミ科かヤマネ科か区別は難しい。が、歯式が両科では異なる。
ネズミ科は上下とも前臼歯が無く臼歯が3対であり(図1、2&3)、歯式は1・0・0・3であるが、ヤマネ科は前臼歯が1対あり(図4)、歯式は上下とも1・0・1・3である。つまり、ネズミ科とヤマネ科の違いは前臼歯が1対あるかどうかである。臼歯の歯冠の形状もネズミ科とヤマネ科では違う。ヤマネの臼歯の噛面は図4に見られるように独特だ!
図1.アカネズミの上顎臼歯(左)と下顎臼歯(右)
図2.アカネズミの上顎の臼歯
図3.アカネズミの下顎の臼歯
図4.オオヤマネGlis glisの上顎の歯式 
from Animal Diversity Web
これで、日本に生息する齧歯目の科の同定ができた。次にそれぞれの科の属の検索・同定をしていきたいが、、、、、、。
ヌートリア科はヌートリア属のヌートリアの1科1属1種であり、ヤマネ科も1属1種である。リス科がリス属、タイワンリス属、シマリス属、ムササビ属、モモンガ属の5属生息する。ネズミ科はネズミ亜科6属とハタネズミ亜科4属に分類され(阿部永著「日本産哺乳類図説」)数が多い。
これら2科の属までの検索・分類はぼくの今の手持ちの標本だけでは無理である。

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