2019年4月4日木曜日

カヤネズミやヒメネズミを食べていた Marten had eaten harvest mouse and Japanese field mouse

4月1日にMaruさんと伊勢沢林道を歩いて拾ってきたテン糞④と⑪にはツバキの雄蕊の葯や花糸がたくさん入っていた。今日は、カヤネズミやヒメネズミの骨と考えられるものが含まれていたテン糞⑤とテン糞⑩についてアップする。
図1. 探索したルートのテン糞④、⑤、⑩、⑪の位置
テン糞⑤
キブシ種子、カヤネズミの毛多数・上腕骨・下顎骨・尺骨・橈骨・尾椎・骨片
このテン糞⑤から出てきたネズミ科の尺骨とテン糞⑩からの尺骨と手持ちのアカネズミの尺骨・橈骨を比較して(図6)、この骨片はカヤネズミと推定した。
図2.テン糞⑤から出てきた骨片
A:上腕骨遠位部、B:胸椎、C:左右の下顎骨、D:橈骨と尺骨

テン糞⑩
キブシ種子・果実果皮、サルナシ種子、雄蕊の葯、ヒメネズミ毛・骨片・尺骨・頚椎・第一臼歯、トカゲorカナヘビ歯・骨片
 図3.テン糞⑩から出てきた骨片
A:左、脛骨 右、尺骨 B:下顎切歯 C:トカゲorカナヘビの歯 D:第一臼歯
図4.第一臼歯 
左上顎の第一臼歯であることが判る。さらに、手持ちのアカネズミの標本と比べると少し小さい。赤線Aで囲まれた尺骨はアカネズミよりもかなり小さい。
図5.トカゲorカナヘビの下顎骨(歯が抜けている)

阿部永監修「日本の哺乳類」東海大出版会によると
アカネズミの頭胴長は80~140mm
ヒメネズミの頭胴長は65~100mm
カヤネズミの頭胴長は50~80mm
おそらく、橈骨や尺骨も上記の3者の頭胴長と同じくらいの割合の大きさであろう。
図6のUlna尺骨(右:アカネズミ、中:糞⑩からのもの、左:糞⑤からのもの)を見ていただきたい。糞から出てきたものは遠心部が欠けているが、大きさから判断すると、中がヒメネズミ、左がカヤネズミと推定してもおかしくないだろう。
同様にRadius橈骨は(右:アカネズミ、左:糞⑤からのもの)を見ると、糞⑤からのものは遠心部が欠けているが、アカネズミのものと比べると、明らかに随分小さい。カヤネズミの橈骨と推定できる。
図6.アカネズミの橈骨Radiusと尺骨Ulnaとの比較
橈骨Radiusの右がアカネズミ、左がテン糞⑤からでてきたもの。
尺骨Ulnaの右がアカネズミ、中がテン糞⑩からのもの、左がテン糞⑤からのもの。

以上のように、カヤネズミとヒメネズミが食べられていた。

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