2019年2月26日火曜日

キブシよりもサルナシが多く食べている。 The martens eat more the arguta fruits than Stachyurus praecox.

2月26日に伊勢沢林道歩きで見つけたテン糞15個の内容物は、
植物質としては、サルナシ、キブシ、マメガキ、腐葉砕片が多く、動物質としてはヤマネを含む小哺乳類、昆虫、鳥の順であった(表1)。
サルナシは15中の11個であり、次にキブシが7個であって。もっとキブシが食べられているかとも思っていたが、まだまだサルナシが残っていたのだろう。糞12にカマツカの種子が16個出てきたが、どうして糞12だけであるのか。もっといくつかの糞にカマツカの種子が入っていても良いと思うが、この伊勢沢一帯にはカマツカの木が少ないのかもしれない。また、糞4と糞11に腐葉砕片に混じってヒノキの葉が複数混入していたが、特に糞4と糞11の場所にヒノキの葉が多く落ちていた訳ではなく、糞2や糞3の方が糞の周りにヒノキの葉が落ちているが、糞からは出てこなかったので、糞4と糞11の個体はヒノキの葉を食べた林床に落ちているサルナシやキブシを食べる時に一緒に食べたものと思われる。
また、昆虫を含めて動物を食べた糞は15個中9個あった。この中でも6個は鳥や小哺乳類を食べたものだった。

今年の伊勢沢林道は例年と異なって残雪に覆われていない。と云うよりも今年の冬は降雪が無く、温かかった。だからだろうか?
いつもならキブシの実しか果実では食べる物がないのに、雪が無い為に林床に落ちている秋の果実の残りを漁ることが出来たようだ。

動物食については、これは印象だが、今年は暖冬なのでヤマネやトカゲが早く目覚め、うろうろ動き出したところを食べられたのではないだろうか?
8:16 テン糞1
キブシ種子・果肉果皮、マメガキ種子果肉果皮、腐葉砕片
8:34 テン糞2
マメガキ種子・果肉果皮、羽毛・羽毛軸
8:36 テン糞3
キブシ種子、小哺乳類毛・骨片
8:48 テン糞4
サルナシ種子・果肉果皮、腐葉砕片、ヒノキ葉、直翅目脚外皮

8:53 テン糞5
サルナシ種子・果肉果皮、マメガキ種子、植物質砕片
9:02 テン糞6
サルナシ種子・果肉果皮

9:05 テン糞7
サルナシ種子・果肉果皮
9:10 テン糞8
サルナシ種子・果肉果皮、直翅目産卵管
9:27 テン糞9
マメガキ種子・果肉果皮、サルナシ種子・果肉果皮
テン糞10
サルナシ種子、ヒミズ?毛・骨片
テン糞11
キブシ種子・果肉果皮果柄、腐葉砕片、ヒノキ葉、羽毛多数
テン糞12
キブシ種子、サルナシ種子・果肉果皮、カマツカ種子、腐葉砕片、土砂
テン糞13
キブシ種子、サルナシ種子・果肉果皮、腐葉砕片、直翅目産卵管・外皮
テン糞14
サルナシ種子・果肉果皮、キブシ種子、ヤマネ臼歯・上下切歯、左下顎骨・切歯・骨片
テン糞15
不明種子、キブシ種子、サルナシ種子・果肉・果皮、腐葉砕片、ヤマネ毛・骨片・左下顎骨・臼歯、トカゲ歯
表1.テン糞1~15の内容物

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