2016年2月13日土曜日

食肉目の骨盤結合と座骨結節・座骨弓の長さの関係  The relatioships among the length of Symphysis pelvina, Tuber ischiadicum,and Arcus ischiadicus of Carnivora.

手持ちの食肉目のイヌ、タヌキ、ネコ、マングースの寛骨である。
アナグマの寛骨もある筈だが、頭骨を除く骨格は整理が全くできていない。
このように寛骨なら寛骨で分類するか、動物ごとに分けるかまだ決まっていないのだ。

イヌ
我が家で飼っていたクロのものである。14歳で死んだ。
クロの歯は摩耗してなく若々しいが骨盤をみると年歳相応に老化したものとなっている。
Fig.1 イヌの寛骨
タヌキ
宮ケ瀬付近の道路で轢死していた個体である。
クロと同じように骨盤結合で左右の寛骨がしっかり合体している。
Fig.2 タヌキの寛骨
ネコ
専門学校生が江戸川区葛西の公園でこの寛骨だけを拾ったものだ。
骨盤結合しているが、何故か座骨結合の部分が少し隙間が空いている。
他の2個体のネコでは左右の寛骨は骨にすると離れている。
Fig.3 ネコの寛骨
マングース
このマングースは奄美大島産のものであり、上肢や下肢の骨の軟骨部分が骨とまだしっかり癒合していないので、まだ若い個体のようだ。下の写真の左右の寛骨はボンドで張り合わせたが、骨盤結合が直線となっていることがわかる。
Fig.4   マングースの寛骨
偶蹄類の寛骨では、気が付かなかったが、マングース(Fig.5)では
Aの座骨結節(サルでは尻だこにあたる部分)の部分のカーブからBの座骨弓の線がネコやマングースではほぼ直線である。

イヌとタヌキの座骨結節は座骨弓の二倍以上長いが、ネコやマングースの座骨結節は座骨弓の二分の一以下である(Fig.6~Fig.9)。
そのため、イヌ・タヌキの骨盤結合は長くなるが、ネコ・マングースでは短い。
Fig.5 マングースのA:座骨結節、 B:座骨弓、 C:l座骨結合
Fig.6 イヌの座骨結節(黄色線部分)と座骨弓(橙色部分)
Fig.7 タヌキの座骨結節(黄色部分)と座骨弓(橙色部分)
Fig.8 ネコの座骨結節と座骨弓
Fig.9 マングースの座骨結節と座骨弓

骨盤結合の相対的な長さと、座骨結節や座骨弓の長さとの関係が、それぞれの動物たちの生理・生態とどのように結びついているのかはぼくにとってのこれからの課題だ。
ともかく、他の動物たちのものも見ていきたい。 a

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