2015年4月20日月曜日

キツネ糞に入っていた臼歯  The molar teeth which were included in the fox'es feces.

円山木ノ頭から弁天尾根を下りてきて、沢を渡った林道上で見つけたキツネ糞は
小哺乳類の短い毛の塊のようなものだった。それを洗って、毛玉を少しずつピンセットで摘まんではコップに容れた水の中で振り洗いした。その結果たくさんの骨片が底に落ちた。
下の写真は、全体の骨片の半分くらいであるが、歯や歯が埋っている骨(上顎&下顎)は全て取り出した。
切歯と思われる歯や臼歯が埋っている顎骨が分かるだろう。
これらの歯の形状から小哺乳類はネズミ科ではないことが判る。
上の歯の中から、右上にあるものなどを咬面が上から見えるように、木工ボンドをつけて倒れないように方眼紙上にそっとピンセットを使って貼りつけた。
それが、下の写真だ。
貼り付けるまでは、ヒミズの歯だろうと思っていたが、Kenko 顕微鏡Do-Natureで見ると、
左の臼歯の咬面の形状は、阿部永著「日本産哺乳類頭骨図説」に載っているヒナコウモリ科のものにそっくりだ。
下の左が上顎と臼歯で、中と右が下顎の臼歯ということになる。
で、手持ちのヒミズのものと見比べた。
む、む、むぅー!
分からん、区別がつかない。
ということは今までヒミズだと同定したものにヒナコウモリ科のコウモリのものが含まれていた?
この糞に含まれる骨片は、まるで園芸店で肥料用に売っている骨粉と大差がない。
他の歯以外の骨の部分があれば良いのだが、、、。
図鑑では見たいところがわからない、やはり、実物で見比べるよりない。
ぼくの唯一のコウモリの頭骨は、ヒナコウモリ科ユビナガコウモリのものだ。
アブラコウモリの乾燥標本を持っているが、もったいなくて骨にしていない。

ぼくの標本ヒミズとユビナガコウモリの臼歯をじっくりながめた。
うん!キツネ糞から出てきた上の写真の臼歯はヒミズのものだ。
ユビナガコウモリの臼歯は下のAの部分とBの部分の咬面の高さが異なるのだ。
Aの部分(内側、舌がある方)がBの外側よりも極端に低くなっている。
これは、上から見た図では区別できないものだ。
しかし、ヒミズではA、Bの高さはそう変わらない。

このキツネ糞から出てきた下の写真のA、Bの高さはそう違いがないので、ヒミズと同定した。
あ!アズマモグラの臼歯は倍以上の大きさだ。

そのうちに、ヒナコウモリ科の歯とヒミズの歯と比べた写真をアップしたい。

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