ヒミズとユビナガコウモリの臼歯の咬面の形状を比べた。
それは、下の赤線で囲った臼歯の咬面(正式には咬合面だ!)がの形状が、ヒミズとユビナガコウモリの臼歯のものと似ていて、キツネ糞からでてきた下写真の臼歯の同定に戸惑ったからだ。
これがヒミズの上顎を底面から撮ったものだ。赤線で囲った第二臼歯と形が同じだ。
下はヒナコウモリ科のユビナガコウモリの上顎の臼歯を咬合面から見たものだ。
ヒミズの臼歯と似ているが、違うことが明らかだ。
しかし、肉眼ではほとんど区別がつかなかった。
ついでに、ヒミズの下顎の臼歯を咬合面がわかるように撮った。
キツネ糞からでた臼歯の右上と中のものはヒミズの下顎の臼歯であることが分かるだろう。
下はユビナガコウモリの下顎の臼歯だ。
ヒミズとユビナガコウモリの臼歯は何故こうも似ているのか、両者とも同じように
昆虫食だからと云えるが、ヒミズは地表面のミミズなどの土壌動物と言われる節足動物を食べ、
ヒナコウモリ科のコウモリたちは飛んでいる小さな昆虫を食べるということで、
互いの臼歯の微妙な違いが出てきていることになる。
では、大きなクワガタムシのような甲虫ばかりを食べるような食性をもった動物が生まれたとしたら、どのような臼歯になるのだろうか?
ホネや歯の形は、動物の生き方そのものなんですね。
返信削除話題がずれて恐縮なのですが、腓骨と脛骨の関係がとても気になり、ネットをうろうろしてみました。ネズミの多くは、脛骨と腓骨が下部で合体していますね。樹上性のケナガネズミもドブネズミなどと同様、下部で合体しているようでした。
https://pbs.twimg.com/media/CDG_BxNUkAAlZTk.jpg
『哺乳類のかたち』(p.61)にもケナガネズミの右脛骨の図があり、やはり合体していました。
カヤネズミの脛骨と腓骨はネズミの中ではかなり珍しいかたちなのかもしれませんね。系統的には、形が似ているアカネズミ属ではなくてラットの仲間に近いそうなのですが、ドブネズミの脛骨と腓骨は下部で合体しています。カヤネズミの場合、いわゆる幼形進化のような現象なのかな??といろいろ想像しています。一旦、合体したものがまた離れたとはちょっと考えにくいような…
わー、すみません! URLのリンク間違ってました。
返信削除↓がケナガネズミの記事です。
http://tapiokande.web.fc2.com/hobby/dissection/kaibou.html
やはり、bluetittitさんはカヤネズミの脛骨と腓骨の不思議な合体・分離の進化の問題に興味がいきましたか!
返信削除この脛骨と腓骨が合体しているネズミたちの胎児や新生児の状態も知りたいですね。
骨は成長発達に伴って後から形成されてきますね。建築物は骨組を作ってから屋根や壁や電気や水道を含む内装が施されていくが、動物の骨は循環系や神経系、肉、外皮できてから骨が形成されていきますね。そこのところで、胎児や新生児の脛骨や腓骨の状態が分かると、どうやって腓骨ができてくるのか、分かると思うのです。
さらに、齧歯目のリス科、ヤマネ科などの骨標本を手に取ってみたいです。
ケナガネズミを見ました。ありがとう!