2014年11月9日日曜日

ケナガクモザル  Long-haired Spider Monkey in the Edogawa Zoo.

先週の金曜日に専門学校の近くにある江戸川動物園に行ってきた。
ここには南米産の動物が多く、リスザル、ジェフロクモザル、ケナガクモザル、ワタボウシタマリンなどのサルもいる。ここでは、学生たちに動物たちの日周活動Daily Activityのデータをとってもらった。S.I君一人がケナガクモザルの今年生まれのメスを追跡しながらチェックシートに記録していた。

ぼくも主にケナガクモザルAteles belzebuth を観察。
下の写真のように長い尾で自分の体重を支えることができるのはこのクモザル属Atelesだけだ。
他の尾の長いサルたちはこんな芸当はできない。
尾の腹側には毛が無くて滑り止めの尾紋がある。
細い針金の上も長い尾がバランサーとして役立ちスイスイ歩くことができる。
ニホンザルはこんな芸当は難しい。
お尻の下にペニス状のものが下がっているのがわかるだろうか?
クモザルやリスザルなど中南米の広鼻猿の仲間のメスのクリトリスはすごく大きく
ペニスと見間違う人が多い。
尚、アフリカのあのハイエナのメスもオスと同じような大きさのクリトリスを持っているので知られているね。
左のお尻をこちらに向けて歩いていくメスのはハッキリ分かる。
中央の個体はオスである。クリック拡大。
右手の指を怪我したオトナメスがいた。
その個体の怪我した指を皆興味をもって、しかも舐める。
ニホンザルで指の怪我にこれだけ多くの他個体が興味を持ち、しかもその傷口を舐めるという行動は観察したことがない。
クモザルたちの手には親指がない。左のオトナメスの右手と右足をクリックして見て!

親指が欠如したり、他の4指から離れてついているサルたちはアジア・アフリカに棲む
狭鼻猿にも見られる。欠如していたりイボ状になっているのはラングールやキンシコウなどのコロブス亜科のセミブラキエーション(腕渡りに似た行動)する仲間たちだ。
チンパンジーやテナガザルなどのブラキエーション(腕渡り:ぶら下がって両手を使って移動すること)をするサルたちは親指が他の指から離れている。
これは、枝から枝へブラキエーションする時に、親指が邪魔になるために欠如したりイボ状になったり、他の4指から離れたと考えられている。

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