2012年9月5日水曜日

ヌメリスギタケではなかった!

9月1日に箱根大観山・白銀山で行われた
「森をつくる動物たち」のフィールド観察会に参加された伊豆川さんから
ヌメリスギタケの写真が送られてきました。
ここでどんなキノコかしっかり見てもらいたいと思います。
こんなに綺麗なキノコなんです。 
もぎ取ろうとして傘や茎がしっかりしてぼろぼろ崩れることがなく、根元から取ることができます。
ナメコと同じモエギタケ科です。
で、今、あらためて手持ちの5冊の本とこの写真のキノコの表面の文様を見比べると、
傘の中央が色が濃いですよね。
4冊ではヌメリスギタケの傘の表面は一様の黄褐色で、
「キノコ採りの楽しみ」(永岡書店横山・内田・伊沢共著)の1冊では、写真のものがヌメリスギタケになっております。前4冊では、写真のように傘の中央の色が濃いのがスギタケになっております。
 
味に関してはヌメリスギタケは、ナメコよりもはるかに美味しい(「原色きのこ」家の光協会、伊沢・水野・清水共著)、味よくすぐれた食菌である(「キノコ」山と渓谷社、今関六也)。
スギタケの味の記載は、「キノコ採りの楽しみ」(前掲)に多少ほこり臭く、風味に乏しい。「きのこ図鑑」(保育社、本郷・上田・伊沢)では、スギタケは食用にされるが、人によっては胃腸が不快になる。また、他の本では中毒例が多いと記載されている。
どうも、ぼくが食べた写真のキノコはヌメリスギタケではなく、スギタケである可能性が高い。
朝の残りをお昼に食べたが汁全体が土臭かったのだ。
とても味よくすぐれた食菌とは言えない、ナメコよりもはるかに美味しいとは言えない。
 
素人のキノコの同定は、どうしても絵合わせから始まります。
植物ように標本の詳細な記載がないのがキノコの一般書です。
ヌメリに関してその詳しい記載がないのは残念至極です。
 
ともかく、食べると土臭いキノコがスギタケだ。
ナメコよりもはるかに美味しいヌメリスギタケを食べたい!
伊豆川哲也さん、写真提供ありがとうございます。この写真がなければ
ヌメリスギタケではなく、これはスギタケではと再度本を調べて見なかったでしょう。

2 件のコメント:

  1. では、今度はナメコよりもはるかに美味しい「ヌメリスギタケ」を見つけましょう。スギタケもヌメリスギタケもスギってつきますが生育培地に杉も利用されると言うことなのですか?
    伊豆川哲也

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  2. 伊豆川哲也さんへ
    スギと名がつくキノコに、最近中毒が出て問題にされているぼくの好きなスギヒラタケがあります。
    このキノコは、スギの朽木に出る、真っ白のキノコです。が、スギタケは、ブナの朽木、ヌメリスギタケはヤナギというように、まったくスギの木とは関係ありません。

    成長が早いから?それとも傘のケバケバがスギの樹皮に似ていないこともない?

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