2012年9月19日水曜日

新種のグエノンの仲間 A new species of Cercopithecus monkey in D.R.Congo

今朝の朝日の37面にサルの新種が「恥じらう新種サル アフリカ」と報告されている。
コンゴ民主共和国(以前のザイール)の密林に生息している。
グエノン(Cercopithecus)の仲間で、Cercopithecus lomamiensis と名付けられたようだ。
中国から、戻ってから全くサル関係のネット検索をしていなかった。
すぐに、論文誌PLOS|ONEをネットでみた。
 
 
朝日に掲載された写真はメスであったが、オスの顔写真やコドモたちの写真もこの論文には載っている。さらに、分布、形態、遺伝、生態、行動まで記載されている。
形態と分子生物学の情報から、新種はフクログエノンにもっとも近縁なようだと近縁関係を分析されるのに用いられるデンドログラムで示されている。
オスの尻の性比は白青できれいだ。

フクログエノンはコンゴ川以東に分布しているが、コンゴ川の以西には生息していない。しかし、新種はコンゴ川の50キロくらい以西にあるLomami川とTshuapa川に挟まれた地域に生息しているのだ。
これは、コンゴ川とロマミ川いう地理的な障壁によって、近縁2種の交雑が妨げられていることになる。つまりドブジャンスキーの述べた地理的隔離機構Geographical Isolation Mechanismがはたらいていることになる。
もちろん、もともとは一緒の種であったが、コンゴ川やロマミ川の形成によって同一種が分断されて、それぞれが別種になったのだ。

アフリカでこのような地理的な性的隔離が明らかにされた哺乳類の例は他にあるだろうか?

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