2012年6月24日日曜日

タヌキの鼻面は短くなる Raccoondog's muzzle that will become to be short.

昨年の12月にisa隊員(還暦おめでとう!)の清川のアトリエから頂いてきたタヌキメスについて
2011年12月27日にアップした。
晒骨した頭骨をパソコンの上に置いて見ていた。
ん?犬歯のすぐ後ろの前臼歯が足りない。
手に取って裏返してみた。左右の犬歯のすぐ後ろにあるはずの前臼歯(タヌキでは第一前臼歯の位置にあるが、第二前臼歯)がないのだ。
上顎の左右の犬歯の後方が空いていて、前臼歯が3本で、臼歯が2本だ。
下顎は左右とも前臼歯4本で、臼歯は3本だ。
タヌキの下顎の歯式は哺乳類の基本歯式3・1・4・3となっているが普通で、最後の位置にある第三臼歯は写真のようにサンショウの種子よりも小さくなっている。この第三臼歯が生えていないタヌキもいる。
上顎は3・1・4・2の歯式のものが多くをしめる。ときどき、小さな第三臼歯をもつ個体がいるが、
頭骨標本にしてしまうと、骨から外れて落ちてしまう。
さらに、左右どちらかの第二前臼歯が生えていない個体もいる。

しかし、このタヌキのように、下顎は3・1・4・3の完全歯式であるのに、
上顎は左右とも3・1・3・2となっているのは珍しい。
(クリックして拡大して見てください。)
左がisa隊員からもらったタヌキで左右の前臼歯とも3本、
中は左の前臼歯が3本のタヌキで、
右は左右とも前臼歯が4本のタヌキ。
(クリックして拡大) 
タヌキはもっと口吻が短くなりネコ風の顔に変わっていくのかな?
ネコなら動いている動物を捕獲するから鼻面が長いと両眼視するのに邪魔になる。
でも、タヌキは鼻(嗅覚)の動物だ。
アナグマのように地面に鼻を押し付けるようにして臭いを嗅いでいる。
それは臭いを嗅ぐのに加えて、口元にあるヒゲの触覚でも食物を探し当てることができていることを物語っているのだろうか?

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