明るくなりかけた早朝の4時過ぎ、外で学生の声がする。
ムササビを見つけたようだ。
ぼくが寝ているバンガローのドアが開けられ、「先生、先生!」とのNarumi君の声、
ぼくは冗談半分に「うるさい!」と云う。N君は「え!」と驚く。
「先生、ムササビらしきものが顔を出しています!」
ひんやりした外に出ると、Kagetosiさんが上を見上げている。
ヘッドランプで光りを当てる。ムササビが穴から顔を出している。
可愛い!子供だともっと可愛いね!とKagetosiさん。
Narumi君は皆に知らせにいくが、起きてきたのはTakesita君、Iguchi君、Isida君の三人。
Takeshita君の一眼レフのカメラでとらえた写真は上のぼくの写真の比ではないくらい素晴らしい。
一眼レフが急速に欲しくなった。が、やはりカメラは重い。
Narumi君とKagetosiさんが早起きしてムササビを見つけてくれなければ、
この写真はない。彼ら二人に感謝である。
ムササビは4時過ぎから4時50分までこうやって顔を出していた。
ムササビは少し明るくなってきたら、採食場所から巣に戻るんだ。
朝食後、出発前までのわずかな自由時間に、Kagetosiさんが
「先生、骨があります」と教えてくれる。
彼女に着いていくと、タヌキかアナグマの死骸の白骨化した残骸がある。
肩甲骨や前足の骨を見つけ、斜面の下に背骨や毛皮を見つける。
二人で、頭骨を探す。あった。
なんと、ハクビシンの頭骨だ。
ぼくにとっては、始めての轢死体以外の壊れていないハクビシンの頭骨である。
歯が抜け落ちているを探し出せなかったが、大事な頭骨になる。
Kagetoshiさんに感謝!
今年の2年生は、体が弱くアウトドア派ではないと聞いていた。
しかし、体は弱いがアウトドアは大好きである。
数名が持病の薬を持って来ている。
卒業までは僅かしかないが、薬に頼らなくても生きていけるような体になってもらたい。
それには、彼らが好きなアウトドアの授業をもっとやっていきたい。