渋谷駅にニホンザルのオスが出没したことがテレビのニュースとなった。
5歳くらいの若いオスだ。
顔が少し赤みがかってきているが、睾丸はまだ白かった。
野生個体ならば、八王子か奥多摩の野生ザルの群れで生まれた個体だろう。
ニホンザルのオスは2歳~8歳くらいまでの間に生まれた群れから出ていく。
箱根・湯河原での観察をまとめると、4歳前後で出生群から出ていく。
出て行った個体が、箱根・湯河原の他の群れで見つかるのは大体半年くらいしてからだ。彼等は群れから出る前に何度か隣の他の群れのオスたちと交流しているのがわかっている。
しかし、約60キロ離れた伊豆半島南端の波勝崎の群れに加わった個体が3頭いたが、これらは1年以上かけて波勝崎の群れに辿り着いている。
また、生まれた群れの食物が豊富な時期に群れから出ていったか、あるいは乏しい時期に出て行ったかをしらべると、食物が欠乏した時には遠方に移動することがわかった。
渋谷のオスザルは生まれた群れの環境が悪くなったので、見切りをつけて新天地を求めて約50キロ離れた渋谷までやってきたのだろう。あと2ヶ月もすると発情季が始まる。上野動物園のサル山にでも飛び込んでくれれば良いが、、、。
このような個体は人を恐れているのだから、虐めないで欲しい。
ニュース見ました。しかし、渋谷の駅とは不思議
返信削除暗闇にまぎれて移動したのでしょうが、都会はサルの目にどんなふうに映っているのだろ。
森がどこにも見えないから、人間が山で遭難したようなものかな。
無事帰ればいいけど・・・。
彼が野生のサルだとして話しをします。
返信削除動物たちの生まれた群れや地域からの分散というのは、進む方向がどんなに厳しい状況であろうとも食物を得ることができるなら、廻りが砂漠であろうと、氷河であろうと「素晴らしい地を夢見て」突き進んで行きます。
何度かの氷河期は動物たちにとって厳しい環境でした。氷河期に氷河がたくさん形成されると海水面が下がり、浅い海底が顔を出します。
シベリアとアラスカの間のベーリング海峡も氷河期に陸地(ベーリンジア)ができました。
アジア大陸の動物たちは環境が厳しくなったので、新天地を求めてベーリンジアを渡り、氷で覆われた回廊を通って北アメリカから南アメリカまで渡っていきました。
ウマ、ヤギ、ラクダの祖先たちがそうですね。あるいは、草食動物を追ってネコ科の動物が渡っていきましたね。今、ボブキャットやジャガーなどが残ってますね。
さらに、ヒトの祖先も渡っているんです。
Early Americanと呼ばれる人達の最も古い遺跡が南米南端のフエゴ島に残っているようです(そこに一度、行ってみたい)。
動物もヒトも環境が厳しくなればなるほど、生まれた地を捨てて遠方に分散します。
だから、渋谷のサルにとっては森が見えなくても庭に忍び込んで木の実や葉が食べられさえすれば、ますます元気になることでしょう。
あの、タマちゃんと名がついたアゴヒゲアザラシも出生地からの分散個体ですね。
それを北の海に戻してやりたいなどとバカなことを言う輩がいて困りますね。
分散個体はその種個体群のパイオニアなんです。これは、ぼくのテーマの一つでもあるので、長くなるのでこの辺でやめます。
ニュースと写真を見ましたが、怖がっていて気の毒でした。この手のニュースは周囲の反応があまりにも無理解なので残念です。hukudaさんのような解説がもっと人の目に触れるといいのにと思います。分散個体はその種個体群のパイオニアと言う見方は、私のような素人には目からうろこです。分散個体が現れる場所が人間にとってどんなに奇異に見えても、動物にとっては意味があるんでしょう。
返信削除Every animals and plants disperse from their natal area to other area.
返信削除Especiall, when the enviromental condition was bad, they disperse to long distance area.
from Vietnam