2026年11月3日火曜日

タヌキで将来失われる歯は?                  Which teeth of the racoon-dog will loose in the future?

  ぼくらヒトもサルやチンプも上下とも2・1・2・3の歯式である。前歯では第三切歯が消失し、小臼歯では第1と第2前臼歯が消失したのだ。ヒトでは奥歯の第3臼歯(親知らず)が出て来ない人たちも多いようだ。
 さて、前回はイノシシの下顎の第1前臼歯が出てきてない♂個体の例をアップした。今回はタヌキの例を取り上げよう。タヌキの上顎の歯式は、3・1・4・2である。

 図1の左の清川村産の個体は3・1・3・2になっている。右の千葉市産の個体は3・1・4・2で全ての歯が生えそろっている。尚、上顎の裂肉歯は第4前臼歯だ。左の個体は左右の犬歯と最前位の前臼歯との間に隙間があるが、右の個体は犬歯から隙間無く前臼歯・臼歯が並んでいる。

図1.頭骨底面からのタヌキNyctereutes prycyonoidesの歯
左:清川村産♀ 右:千葉市産♀
 図2は町田市産のタヌキの上顎の歯を撮ったものだ。右側前臼歯は4本揃っているが、左側の第1前臼歯が萌出していないことが判る。タヌキでは上顎の第1前臼歯が消失していく傾向があるようだ。
図2.頭骨底面からの町田市産のタヌキの歯
 これら3頭のタヌキはそれぞれ産地が違うが、上顎の第1前臼歯が萌出しなくなるのはタヌキという種の傾向だろう。が、これら3頭のタヌキの下顎の歯はどれも3・1・4・3で、全ての歯が揃っている。
 タヌキの下顎の歯では第3臼歯が小さく上顎の第1前臼歯の次に将来消失してしまうだろう。
図3.タヌキの下顎の歯
左:清川村産 中:千葉市産 右:町田産
 結局、タヌキの歯は上顎の第3臼歯は既に消失しているが、次に上顎の第1前臼歯が失われ、次に下顎の第3臼歯が失われるだろう。

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