2026年7月7日火曜日

同所的イヌ科3種の前臼歯と臼歯は大差無し                  There is nodifferences among the premolor and molor of three sympatric species of Canidae

  同所的生息のイタチ科の3種の前臼歯と臼歯を比べたら、随分違いがあった。では、イヌ科の3種ではどうだろうか?

図1.イヌ科3種の頭骨底面からの上顎の前臼歯・臼歯
左:キツネVulpes vulpes 中:タヌキNyctereutes procyonoides 右:イヌCanis familiaris

 イヌ科3種の歯式は3・1・4・2だし、裂肉歯の大きさも臼歯の大きさも形状も殆ど代わりがない。3種の中ではキツネが一番肉食だが、他2種との前臼歯・臼歯の違いは見られない。現在の日本にはオオカミCanis sp.が生息していないが、かっては3種が共存していた。同科の3種が同所的に棲みえたのは歯を見ると食べ物の問題ではないことが解る。
 キツネは獲物に忍び寄って単独で狩りをする。タヌキは小動物を狩りするとは思えない。死体か腐肉食だろう。そしてアナグマのように土壌動物や落ちた果実を食べるだろう。イヌ・オオカミはパックの仲間たちとシカなどの大型獣を狩るだろう。こうみてくると歯の形状は大差ないが、狩りの相手や方法が3者で異なるので、同所的に生息ができるのだろう。
 イタチ科の3種は食物を変え頬歯と云う形態を変えることで同所に生息している。一方、イヌ科の3種は頬歯の形態を変えずに、単独で狩りをしたり、集団で狩りをしたりで食物の取り方を変え、さらには土壌動物や落下している果実を食べることで同所に生息可能にしている。
 このことは、イタチ科はハードを変えて3種が生息してきたが、イヌ科はハードは変えずにソフトを変えて3種が生息してきている。

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