2025年12月19日金曜日

アナグマ♂の肩甲骨は♀より大きいが、♀の方が大腿骨が長い???                      Male badger scupulas are bigger than female, but female femurs are longer than male???

前回3個のアナグマの肩甲骨の形状を比較した。串間市産と日高市産のアナグマの肩甲骨の形状が大小の差があるが、ほぼ似たような形状をしていた。が、煤ケ谷産のものとは前縁と下縁がほぼ直線で異なっていた。煤ケ谷産と日高産とはオトナ個体の肩甲骨であるのに煤ケ谷産のものが大きく日高産のものが一回り小さかった。
煤ケ谷産の頭骨と日高産の頭骨の大きさには大差がない。強いて言えば煤ケ谷産♂の方が僅かに大きい(図1)。また、煤ケ谷産の後眼窩突起は鋭く尖ってはいないが、日高産のものは尖っている(図1参照)。
図1.煤ケ谷産♂(左)と日高市産(右)の上面からのアナグマMeles meles頭骨
しかし、肩甲骨の大きさは明らかに煤ケ谷産のものが日高産のものよりおおきい(図2)。
図2.日高産と煤ケ谷産♂(白っぽい)のアナグマの肩甲骨、左右の上腕骨と右の尺骨と橈骨、左の脛骨と腓骨と大腿骨
更に図2の骨を見ると、肩甲骨は煤ケ谷産のものが大きいが、上腕骨や尺骨・橈骨、及び脛骨・腓骨はほぼ同じ大きさである。が、大腿骨は日高産のものが明らかに煤ケ谷産のものよりも長い。

これはどのような事を意味しているのだろうか? 煤ケ谷産は♂であるが、日高産は性不明だ。煤ケ谷産のアナグマ♂は日高産よりも後眼窩突起は尖ってなく、肩甲骨は大きくて台形状であるが、大腿骨は日高産のアナグマよりも短い。煤ケ谷産の♂は肩が盛り上がっているが、後足は短いことになる。イタチ科の動物たちの♂は♀よりも大きいと云われているが、頭胴長は差がないようだ(Meles meles (Eurasian badger))。 ♂が大きいのは肩甲骨だけであり、それで前半身が大きくなり体重が増えているのだろうと考えられる。これが性差とするならば、日高産のアナグマが♀で、骨の形状から串間市産のアナグマもコドモ♀であると云える。しかし、アナグマの肩甲骨を含む骨に関して性差による形状の違いをググったが見つからなかった。

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