2024年6月10日月曜日

ニホンザルの脛骨と腓骨     Tibiae and fibulae of Japanese macaques

図1に4頭のニホンザルの左右の脛骨と腓骨を並べた。左のAは最も歳をとっている個体であり、Dは推定1歳半くらいの個体である。AB個体はオトナの個体であるので、脛骨や腓骨の近位端や遠位端の軟骨部分はしっかり骨化している。しかし、CとD個体はコドモのものなので、両端部の骨端軟骨は外れて欠けている。が、Cの脛骨の遠位端の骨端軟骨はボンドで着けた。しかし、近位端の膝の部分の軟骨や腓骨の骨端軟骨は欠損している。
これで、判る事は腓骨外果や脛骨内果は骨端軟骨に当たるのでアカンボウではオトナのように外側からでもはっきり判るように出てないのかな?何だかヒトのアカンボウの足首を見たくなった。
図1.ニホンザルMacaca fuscataの左右の脛骨と腓骨
一対の腓骨・脛骨の左側がで右側が左
A:某医学部で飼育されていて老衰死した♂
B:秩父で有害鳥獣駆除で射殺されたオトナ♂
C:富津市で有害鳥獣駆除で射殺され埋められていたた4歳くらいの個体
D:富津市で有害鳥獣駆除で射殺され埋められていた1歳半くらいの個体

図2はニホンザル以外で唯一持っている霊長目のスローロリスの脛骨と腓骨である。
図2.スローロリスの左右の脛骨と腓骨
ニホンザルやスローロリスの腓骨はしっかりしたものである。腓骨が一番
太くて丈夫そうなのがサルの仲間で、次にタヌキやネコの仲間、真無盲腸目で腓骨は脛骨の上部の方から下部まで癒合し、そして齧歯目では腓骨は脛骨の下部の方で癒合する動物たちがいたり、リスのように腓骨は脛骨と分離していた。シカやカモシカでは腓骨は殆ど脛骨と合体していて、腓骨外果が残っているだけだ。

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