2024年5月30日木曜日

シカやカモシカの消失し退化した腓骨         The missing and degenerated fubula of deer and serow.   

シカやカモシカの腓骨は殆どその痕跡しか残っていない。図1はシカの右の脛骨である。左が丹沢で拾ったもの、右が新潟県湯沢で拾ったものだ。双方の近位端をアップしたのが図2である。丹沢の脛骨の近位端では退化腓骨は割れて無くなっているが、湯沢の脛骨では退化腓骨(↑)が突起状になっているのが判る。尚、見ても判るように湯沢のシカの方が若くして死亡したことがわかる。軟骨部分がまだしっかり骨化していない。
図1.シカの前面から見た右脛骨
図2.シカの前面からの右脛骨近位端と退化腓骨
双方の脛骨の遠位端を図3に示す。右側の湯沢のシカの脛骨には腓骨外果をボンドで着けているが、左側の丹沢のシカではこの脛骨だけを拾った(20171124の丹沢実習で学生が見つけてぼくに渡してくれた)。既に、腓骨外果は外れていた。
図3.シカの前面からの右脛骨遠位端の内果と腓骨外果
脛骨遠位端はぼくらヒトの足首に当たるところである。内側の踝(くるぶし)が腓骨内果であり、外側の踝が腓骨外果に当たる。
では、ネズミ(齧歯目)やウサギ(兎形目)、ジネズミ(真無盲腸目)の脛骨と腓骨はどうなっているだろうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿