前回はイヌ亜目のイヌ科とイタチ科の最後位の臼歯と口蓋骨後端の位置関係を示した。イヌ科では最後位臼歯と口蓋骨水平板後端の位置はほとんど直線上に並ぶが、イタチ科では口蓋骨水平板後端は臼歯の後方に位置した。ツキノワグマやアライグマでも口蓋骨水平板後端は臼歯の後方に位置する(図1&2)。
図1.ツキノワグマUrsus thibetanusの底面から見た頭骨
左の破線:最後位の臼歯 右の破線:口蓋骨水平板末端
図2.アライグマProcyon lotorの底面から見た頭骨
図3はイヌ科のホッキョクギツネである。日本に生息するイヌ科動物と同じように最後位臼歯と口蓋骨水平板後端はほぼ一線に並ぶ。イヌ亜目の中でもイヌ科は他のイタチ科、クマ科、アライグマ科と大きく違う。図3.ホッキョクギツネVulpes lagopus
この図3のイヌ科のホッキョクギツネの口蓋骨水平板末端と最後位置の臼歯を見て、ツキノワグマやアライグマ、さらに前日アップしたイタチ科の動物たちの口蓋骨の水平板は随分後方に伸びていることが判る。イヌ科の動物は頬歯(前臼歯4+臼歯2)の数が最大6個だ。しかし、イタチ科は4個、クマ科は6個、アライグマ科は6個だ。頬歯の数と口蓋骨水平板の長さとは全く関係が無いことが判る。
この口蓋骨水平板の長さが最後位の臼歯(つまり上顎骨の後端)どんな関係があるのかないのかもっともっと他の動物で調べたい。
次は、食肉目のネコ亜目だ!
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