2023年9月28日木曜日

食肉目(イヌ亜目)の聴胞の形  The shape of audio bulla of Caniformia     

イヌ亜目の動物は、イヌ科Canidae、イタチ科Mustelidae、アライグマ科Procyonidae、クマ科Ursidaeの聴胞をアップする。イヌ科のタヌキ、イタチ科のテン、アライグマ科のアライグマ、クマ科のツキノワグマを取り上げる。
タヌキの聴胞は前にアップしたネコの聴胞のように膨らんだ風船状だ(図1)。しかし、テンの聴胞は余り膨らまずに外耳孔側で潰されたように平たくなっている(図2)。
図1.タヌキNyctereutes procyonoidesの聴胞ab

図2.テンMartes melampusの聴胞ab
アライグマの聴胞は、タヌキのように膨らんだ風船状だが、外耳孔に向かってテンの聴胞のように窄(すぼ)む(図3)。ツキノワグマの聴胞は膨らみが無く押し潰したようになり外耳孔に向かって管状になる(図4)。
図3.アライグマProcyon lotorの聴胞ab
図4.ツキノワグマUrsus thibetanusの聴胞ab
食肉目の聴胞を見てきたが、タヌキ(イヌ科)とネコ(ネコ科)の聴胞が風船を膨らませたようで似ていたが、膨らんだ聴胞は他にマングースやテン、アライグマとあった。が、ハクビシンの聴胞は三角柱状であり、ツキノワグマのものは全体的に押し潰したような状態であった。タヌキの聴胞をイヌ科として載せたが、手持ちのイヌ科標本(イヌ、キツネ、タヌキ、ホッキョクギツネ)の聴胞を見る限りではほぼ同じ形状をしている。それは、ネコ科(ネコ、ヨーロッパヤマネコ)や、イタチ科(イタチ、テン、アナグマ、秦嶺山脈のテンやイタチ)でも科によって同じ形状をしている。る。

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