2022年11月26日土曜日

モグラ科とトガリネズミ科の座骨の違い  Defference between pelvises of Talpidae and Soricidae

ほぼ一生を地中で生活するモグラは他の哺乳類と違うところがいくつもある。例えば、モグラの仲間は総排泄孔を持ち、尿も糞も一つの穴から排泄する。これは他の脊椎動物の魚類、両性爬虫類、鳥類も同じである。
図1.上から見た寛骨と仙骨 左:アズマモグラ 中:ヒミズ 右:アカネズミ
アズマモグラやヒミズなどのトガリネズミ目モグラ科の動物たちの寛骨は仙骨と癒合合体している(図1)。しかし、ジネズミやトガリネズミなどのトガリネズミ科の寛骨と仙骨は図1のアカネズミのように分離している(図2)。 
図2.上から(背側)見た寛骨と仙骨 左:オオアシトガリネズミ 右:ジネズミ
図3.アズマモグラ(上)とヒミズ(下)の骨盤(寛骨と仙骨が癒合)
上:左側面からアズマモグラ 下:左斜め側面からヒミズ
アズマモグラの仙骨は7個以上の仙椎から、ヒミズは5個以上の仙椎からなり、アズマモグラでは全ての仙椎が寛骨を癒合しているが、ヒミズでは3個の仙骨が寛骨を癒合している。
図3.腹側からのアズマモグラの骨盤
日本に生息するトガリネズミ目はモグラ科とトガリネズミ科の2科である。この2科の頭骨にも違いが認められる。トガリネズミ科の頭骨には頬骨弓が無いが、モグラ科は糸状の細い頬骨弓(細い糸状)を持ち、トガリネズミ科の切歯は大きなカギ爪状であるが、モグラ科はそうではない。そうそうモグラ科には外耳が無いが、トガリネズミ科には外耳が見当たらない。

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