図1の骨は、どこの骨か判りますか?
そうです!右前足の骨の上腕骨huと橈骨raと尺骨ulです(図1)。何の動物のものか判りますか?そうです。ニホンジカの上腕骨と橈骨と尺骨です。ヒトを含む陸生哺乳類の上腕骨と橈骨と尺骨は、図2から5に見られるように上腕骨の末端と橈骨と腓骨は滑車のように一定方向に動きやすい構造になっています。
図1.これは誰のどこの骨 右側面から
図2.右上腕骨後ろから
右端が肘に当たる部分、図3も同じ
図3.右上腕骨 前から
図4.右尺骨と橈骨 右斜め前から
ニホンジカの橈骨と尺骨は互いに接し、手首にあたる遠位端では癒合している。しかし、若い個体では接するが癒合していない。
図5.尺骨と橈骨 前から
このような上腕骨と橈骨・尺骨が接する肘にあたる部分の骨は、ほぼ全ての哺乳類において互いに滑車と歯車のような関係になっている。
シカの橈骨と尺骨のように一部で癒合しているのは、シカは前肢をぼくらが机の上で手のひらを上に向けたり、下に向けたり回転することができるが、シカでは手首から先きにあたる中手骨や蹄のついた部分を回転することができない事を示している。それはカモシカも同じである。
次回から食肉目や霊長目、齧歯目やウサギ目、トガリネズミ目の上腕骨と橈骨・尺骨をアップする。
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