2022年7月25日月曜日

足首と脛骨と腓骨の不思議9)  Mystery of ankle, tibia and fibula for primates

ヒトやニホンザルを含む霊長目の脛骨と腓骨をアップする。ニホンザルの脛骨と腓骨はがっしりしたものだ(図1)。スローロリスの脛骨と腓骨もしっかりしたものである(図2)。このようにしっかりした脛骨と腓骨はニホンザルはヒトの同じように後足の足首が前後左右に回すことができると云うことだ。しかし、スローロリスは脛骨と腓骨の下半分が接しているので、ヒトやニホンザルのようには軽やかに、機敏に動かせないからスローロリスと云う名前がついたのだろう。
図1.秩父のオスニホンザル成体の左足の脛骨と腓骨

図2.オススローロリス成体の右足の脛骨と腓骨

シカやカモシカの脛骨と腓骨は合体し、脛骨に腓骨の両端の部分が残るだけだ。ネズミやモグラの腓骨は脛骨は半分くらいから上に出ており、下半分は合体している。しかし、リスでは腓骨と脛骨は分れている。これは木登りするためだと考えられる。偶蹄類でもイノシシは脛骨と腓骨がしっかり二つに分かれており、イノシシは見た目以上に後足を器用に使いそうだ。イヌやネコの食肉目ではネコの脛骨腓骨はしっかり独立した存在であるが、イヌは後足の使い方がネコほど器用でないことが判った。ネコはリスと同じように木に登り降りすることができる。同じようにイタチはしっかりした脛骨と腓骨を持っている。しかし、興味深いことに木に登り降りしない同じイタチ科のアナグマの脛骨と腓骨も二つともしっかりしたものである。これは恐らく地中で掘った土をモグラとは異なったやり方で後足を使って蹴り出しているのだろう。
脛骨と腓骨が離れて存在するのは足首を前後ばかりでなく左右の可動させられるからだ。その代表例として霊長目のニホンザルとスローロリスをアップした。

ぼくは足首が硬く、左右よりも前後の可動に難がある。だから、子供頃から正座座りが全くできない。これは筋肉が硬いためのようだ。

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