2022年2月16日水曜日

頭骨の不思議 5)ニホンザルの前頭骨はオトナになっても大して大きくならない  The mystery of skull 5) The parietal bone of monkey does not change much in adulthood.

 シカやカモシカの左右の頭頂骨はコドモの頃から癒合合体しており、しかもコドモとオトナでは頭頂骨の大きさは大差が無かった。サルの前頭骨は生まれながらに一つである(図1)。サルのアカンボウの前頭骨とオトナ(ここでは♂)の前頭骨Fの大きさを比べた(図1)。コドモの前頭骨と頭頂骨の縫合線(冠状縫合)や左右の頭頂骨の縫合線(矢状縫合)ははっきりわかるが、オトナの冠状縫合は少し判読しづらい。

図1を見ると、オトナになると眼窩の上の部分が盛り上がって横に大きく張り出している。しかし、コドモからオトナになるにつれて前頭骨の眼窩上部が大きく成長するが、脳頭蓋を形成する頭頂骨も前頭骨も全体の大きさに変化がない。

図1.ニホンザルの前頭骨比較
F:前頭骨  左:生後推定2ヵ月 右:オトナ
エ?サルでは悩を覆う脳頭蓋はコドモからオトナに成長しても大して大きくならないのだ。
まー、脳頭蓋の前頭骨や頭頂骨の大きさがコドモからオトナになっても大差が無いというのは哺乳類に共通したことかもしれない。何だか少しがっかりもする。


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