2021年6月27日日曜日

エ!何故?果実の種子が含まれていないテン糞!  Why? The marten's droppings that did not contain fruit seeds!

25日の奥野林道・伊勢原林道歩きでは、奥野林道でテン糞2個を見つけたが、それ以外では見つけられなかった。
6:56 テン糞1
カマドウマ脚・外皮、昆虫脚、砂
テン糞1の内容物
カマドウマの脚が判る

7:33 テン糞2
テン糞2の内容物、大半がヒミズの毛であった。
左下側にヒミズの18mmの尾がある。
昆虫脚・外皮・頭部触覚、ヒミズ毛・尾(先18mm)、砂礫

ヒミズ亜科の2種の尾長は、手持ちの乾燥標本の毛先を除くと20ミリちょっとだ。ヒミズとしたのは18ミリの尾が少し途中で太くなっているからだ(参照)。
それにしても、今回は2個だけのテン糞だったが、二つともクワやニガイチゴなどの果実の種子が含まれていなく。昆虫やヒミズであった。彼らの食性が変ったとは思えない。今の時季はヤマグワの果実が熟しており食べ放題だと思うのだが、、、ちょっと、不思議だ。
歩いたルートとテン糞位置(①、②)

2021年6月26日土曜日

ヒルがいない。何処へ行った?  There are no Leech. Where did the leech go?

 水沢橋と林道との間の駐車スペースに着いたのが、6時50分であった。雨が降りそうなので、折り畳み傘を持ち、ストックはザックに付け、GPSをセットして出発だ。長めの靴下は十分に飽和食塩水を噴霧しているので下半身のヒル対策は万全だ。昨日は、奥野林道から山越えして伊勢沢林道を下ってきた。

6:56 奥野林道のゲートを越えて間もなく、真っ黒のテン糞だ!クワの実を食べた糞だろう。

テン糞1 
7:01 ん?これは奥半谷林道で6月2日に見たアカショウマだ。この花のピンが合わないので、落ち着いて撮る。ホタルブクロもまだ咲いている。
アカショウマ
ホタルブクロ
7:08 爽やかなシダだ!調べたが同定できず。
シダの仲間
ハコネシダ 
このヤマユリもまだ蕾だ!
7:23 法面のコンクリートの凹部に溜まった土砂などのところに毎年咲くヤマユリがある。これもまだ蕾だ。3株に増えている。
3株になっている。
7:27 先ほどからずーと松茸山の方からシカが警戒音を出している。こちらが見えているようだ。これはイラクサ科のイラクサそのもの?上で鳴いているシカのメスグループが食べたのだろう。
イラクサ科の仲間のシカの食痕
これは、イトマキカエデではなく、イトマキイタヤ
イトマキイタヤ
7:30 ヤブムラサキのピンクの花がたくさん咲いている。
ヤブムラサキ
7:32 こんな僅かな腐葉土の塊りでミミズか節足動物を探したのだ。アナグマではなく、イノシシの蹄跡がある。
腐葉土を誰が掻き分けた?
7:33 テン糞だ!これもクワの実を食べたものだろう。
テン糞2
7:37 工事の案内板が立っている。8月一杯まで、奥野林道と伊勢沢林道との間の斜面を治山で工事しているようだ。将来の山の斜面はコンクリートで覆われてしまい、動物たちの隠れ家も造れなくなる。
7:58 松茸山への入り口(奥野口)を過ぎ、馬ノ背も過ぎる。もう20年以上前にここで、10頭以下のサルの群れを見つけ、数年間この群れを馬ノ背群と名付けて追ったことが随分前の事のように思われる。
馬ノ背:ここから早戸川林道に尾根沿いに下りたものだ
8:08 山は今にも降りそうな雲で覆われている。しかし、梅雨なのに何となく乾いた感じだ。
本間ノ頭の方面を見る
8:16 コマツナギが咲いている。このように灌木でこじんまりとした草姿なので、以前、この豆を鉢植えしたが、暴れるように枝が伸びて鉢植えに向かない木であることが知った。
コマツナギの可愛い花
8:20 早戸川右岸の斜面が崩落している。気が付かなかった。これも一昨年の台風に因るものだろう。拡大して見ると、岩盤の上の植林していた表層土が流れ落ちたようだ。早戸川林道は土砂崩れや流れによる崩落が各所にあるが、ぼくはこのままの状態で良いとさえ思っている。それは、車は通行できないが、ぼくのような者でも歩けないことはないからだ。
8:24 伊勢沢林道へ山越えする地点の所に来た。今は、小型ブルが移動する道が作られているのでこの道を使う。しかし、尾根まで出るのに以前より時間が掛かるかなっと歩きながら思う。以前はこの植林地内をジグザクのケモノ道を利用した。
稜線で一休みしたいが、今回はそのままブル道を下り、伊勢沢に辿り着く。不思議、梅雨なのにこのブル道はドロンコ道な筈だが、登山靴は汚れない。滑らない。そして、なによりも不思議な事がある。
それは、タイトルにしたようにヒルがいない。このブル道に入る前にスパッツをつけてヒル対策をするつもりであった。が、ここまで歩いてきてヒルの姿を全く見ていないのだ。
ここから登って稜線に、そこから下って伊勢沢に!
8:26 ブル道に赤いキノコがぼくを迎えてくれた。子嚢菌類と云う事が判るがそれだけだ。
赤いキノコが、、、
8:54 稜線を過ぎて、ブル道は3つに分かれるが、右下へ行く道を辿る。何故、ヒルがいないのか不思議である。
伊勢沢右岸の岩に群生しているイワタバコの場所にきた。足元を見てもヒルの姿が見えない。インスタントラーメンの具にするためにイワタバコの柔らかそうな葉を3枚千切り取る。ヒルは出て来ない。しかし、やはり、ここではお昼にしたくない。
9:07 伊勢沢を石伝いに渡る。今までならこのような沢を渡るのにピョンピョンと跳んで渡れた。が、今は、足元をイチイチ確かめ、次に足を下ろす石が、滑らないかどうか考え、手は岩や木に置いてバランスをとる。どうしてこうなったんだと自分でも歯痒い。岩を滑って落ちて足を濡れることを恐れている?イヤ、違う。身体全体のバランスが悪いので、転んで岩に胸や頭を打つことを恐れているのだ。
伊勢沢の河床に岩がある
9:28 伊勢沢林道に辿り着く。しかし、この登りでもどうしてそんなに慎重になるのか判らないくらい慎重だ。あり得ないと思うが、転げ落ちることを恐れているのだ。林道に上がってズボンの裾を上げてヒルの有無を見たが全く一匹もヒルはついていない。どうしたんだヒルは?
奥野林道からブル道を歩いて沢を渡って伊勢沢林道に出るのに何と1時間も掛かっている。
登ってきて、このガードレールを跨ぐのも、、、
9:34 おー、サルナシの実だ!
9:48 たくさんのタケニグサが花が咲いている。タケニグサの写真を撮ったのは初めてかな?
9:53 アケビだ!ミツバアケビだ!
10:10 ん?また、あの蛾だ!違う。キンモンガではない。チョウではない。また、SAさんに訊いてみよう。
これはヒョウモンエダシャク(豊田さんのコメント参照)という蛾の仲間のシャクガ科で、幼虫はシャクリムシとなって移動する。
10:26 ん?この昆虫は?何の仲間だろう?
これはカゲロウ目のカゲロウ科かアミメカゲロウ科(豊田さんのメールによる)
GPS上では9.7キロも歩いたことになる。かかった時間は3時間46分だ。帰宅してから風呂に入り、30分くらい昼寝した。今日はこれから藤沢市の健康検診を受ける。

2021年6月25日金曜日

ヤマユリの花はまだ!   The flower of the gold-banded lily is not yet bloomed.

今日は、5時半に家を出て、ヤマユリの花を奥野林道に見に行ってきた。が、まだ蕾だった。来週には咲きそうだ。伊勢沢のイワタバコは花茎を伸ばしているところであり、花は7月中頃かな?
奥野林道の蕾のヤマユリ 

イワタバコの花茎の頭をもたげるところ

久し振りのヤマグワの種子   Seeds of mulberry after long time

6月18日に伊勢沢林道を歩いた時、見つけた食肉目の糞はテン糞1個であった。24日、晴れていたので、洗った。
久し振りのヤマグワの種子であった。
テン糞1. 7:14
ヤマグワの種子 
テン糞1からでたヤマグワMorus australisの種子

2021年6月24日木曜日

フウランの香りから   From the aroma of Japanese orchid named Fuuran:Vanda falcata

良い匂いが漂う。庭に面したガラス戸を開け放しているので、網戸越しにほのかな香りが入ってくる。ジンチョウゲ、スイカズラが終わり、近隣の庭ではクチナシの白い花が咲いている。我家の庭の梅の木に下げたフウランが咲いている。どれも良い匂いだ。っと気になって庭のスズランをみた。あんなに庭に蔓延っていたスズランが縮小しているし、花も見当たらない。スズランの匂いも大好きだ。子供の頃のスズラン狩りを思い出す。スズランの花茎だけを一抱えも採ったものだ。そうだ。北大の空手部にいたNFから当時では珍しい空港便でスズランの花束が贈られてきたことがあった。アパートの玄関にも飾られた。そのNFはパーキンソン病で身体を思うように動かせずに苦しんでいる。NFのいる札幌はまだライラックの薄紫色の花が良い香りを漂わせているかな?
フウランVanda falcata
 フウランの属名がNeofinetiaからVandaになっている。Vandaには綺麗な花が多い。フウランの葉のでかたとバンダの葉のでかた同じで、花茎も葉の間からでる。しかし、見た目の花の様子が違う。

2021年6月22日火曜日

小田原のH群の捕獲     The capture of H-troop of wild Japanese monkey in Odawara city

 神奈川・小田原のサル「H群」、ついに全頭駆除へ 車たたき、住民威嚇…被害半年で4千件「管理困難」 https://news.livedoor.com/article/detail/20401594/

小田原の野生ニホンザルの「H群」が全頭捕獲されると云うニュースをネットで知った(上述)。ぼくは1966年から1980年頃まで箱根・湯河原のサルを年間200日を目標に追いかけ、観察していた。だから、「H群」のニュースは自分の2、30代の頃をいやでも思い出さざるを得ない。

このH群は、箱根・湯河原のT群(天昭山群)のメスたちとP群(パークウエー群)のオスによって1967年頃つくられた。当時、広河原にあった山香荘という温泉旅館の裏に出たことから、サツマイモが与えられたりした。ぼくらはH群(広河原群)と呼んでいた。1970年頃までは天昭山野猿公園やパークウエーにあったモンキーランドに時々出ていた。70頭を超えるような大きな群れになり、行動域を湯河原駅裏の城堀や鍛冶屋地区、幕山付近にまで伸ばし、その後、果樹園に沿ってどんどん北上し、1990年過ぎには江之浦、根府川から早川まで侵出して行った。

1977年白銀林道白銀橋付近のH群
H群の捕獲計画は、もう何年も前から考えられていた事であった。しかし、県はどうにかして山に戻そうと対策を練っていたが、その全てが徒労に終わっていた。ぼくもアフリカから戻ってからの数年間神奈川県のサル対策の会議に携わっていたことがあったので、凄く感慨深いものがある。

2021年6月21日月曜日

複数の葉を巻いた虫の揺籃   A insect’s cradle binding up plural leaves

伊勢沢林道の沢側に一本の小枝の先に複数の葉を巻いた幼虫の巣があった。昆虫たちは食草が決まっている。もってこの木は何だろう?シデの仲間と思うがぼくは実がついていない限り判別できない。で、ヤマボウシさんにメールで訊いた。イヌシデと教えてもらった。側脈の数が11~12くらいなのでイヌシデのようで、今大きな果穂をつけているクマシデは側脈が20~24とのことだ。シデ類の葉を調べた。アカシデは葉がイヌシデやクマシデの半分くらいだ。サワシバは幅広の大きな葉だ。なるほど、これからは葉だけでも判るようになれそうだ。
図1.イヌシデの枝の先に揺り籠が、、
図2. 正面?から見る。
図3.葉を開いたら、大きな糞に似合わないムカデのような小さな毛虫がいた。
このオトシブミのように葉を包んで中に卵を産み付けて、幼虫が毛虫の昆虫は何だろう?

昆虫の数の多さと多様な生活史に圧倒されてしまっている。ミツバアケビハトジフシを作るタマバエの仲間にはまだ名もついていないと云う。どなたか、このイヌシデの葉を巻いた虫は誰か?御存知ないだろうか?教えて欲しい!
これは、SAさんによると蛾の仲間のハマキガ科の幼虫のようだ!ハマキガ科なんて初めて知った。

2021年6月20日日曜日

これは虫こぶ!  It’s galls!

ン?何だ?あの変なモノは? 伊勢沢林道の山側から林道に出ている木の枝に葉を膨らませたようなものがある。虫えい(虫こぶ)だ!しかし、この虫えい初めて気が付いた。近寄って見ると、ミツバアケビだ。ミツバアケビの三出複葉の葉がそれぞれ一枚一枚閉じられているし、何だか葉が白く厚ぼったい。取って葉を開けて見たが何も入っていない。アブラムシでもいるかと思ったが、、、、。

図1.ン?なんだ!
図2.閉じている葉を開けても何もなかった!
ネットで調べたら、ミツバアケビハトジフシ、ミツバケビハベリマキフシ、ミツバアケビハフレフシ、ミツバアケビメフクレフシ、アケビハトジフシのどれか不明だが、いずれもタマバエが絡んでいるようだ。
で、「虫えい同好会」の掲示板に投稿して訊いてみます。

「虫えい同好会」の湯川淳一鹿児島大名誉教授から掲示板で教えてもらいました。何と神奈川県では2件目の例のようです。以下はコピペです。
ご投稿、有難うございました。これは、タマバエの一種によって形成されたミツバアケビハトジフシ(虫えい番号 C-2685b)と言う虫こぶです。すでに、4月下旬には、幼虫が虫こぶから脱出して、これから地中で夏と秋、冬を過ごし、翌春蛹化し、ミツバアケビが新芽か新葉の時に羽化して、産卵する、年1化性のタマバエです。まだ、タマバエには名前が付いていません。この虫こぶは、アケビでも見つかります。これまで、アケビハトジフシ C-2685a は埼玉県、和歌山県、福岡県で見つかっています。ミツバアケビハトジフシは、和歌山県だけでしか見つかっていませんでしたので、神奈川県は2例目となります。今後も、ぜひ、色々な虫こぶを発見して下さい。ご投稿を楽しみにしています。

2021年6月19日土曜日

不思議なサルナシの花  Mysterious flowers of taravine

サルナシは釧路ではコクワと云った。 

ぼくは、コクワが大好きだ。子供の頃はヤマブドウ狩りやコクワ狩りを楽しんだ。親父に連れられて行ったこともあるし、爺さんに連れて行ってもらったこともある。当時はヤマブドウ狩りやコクワ狩りでヒグマと出くわしそのまま帰って来なかった人のことを訊いていたし、牧場でヒグマに襲われて腹を裂かれたウシの死体や、片側の尻を剥ぎ取られたウマを見ていた。さらに、当時鶴ヶ岱公園の檻に入れられた大きなヒグマを見ていたので、ヒグマの獰猛さ恐ろしさを感じていた。

コクワやヤマブドウを沢山採ろうっと親父や爺さんと離れてしまい。聞こえるのは風で揺れるクマザサの擦れる音だけとなり、恐ろしくなって声を張り上げて「オーイ、オーイ」と叫んだことがあった。小学校低学年の頃である。熟して柔らかくて潰れそうな実はその場で採りながら食べた。

釧路にいたときコクワの花を見たことがなかった。それが、サルを追うようになって山歩きをするようになってから毎年のようにコクワの花を見る。

さて、昨日は5時半に家を出て伊勢沢林道を歩いて、12時前に家に戻ってきた。林道は道が陥没していたり、土砂崩れ跡がまだ修理されていないので、林道そのものが山の緑に埋もれ、晴天で気持ちの良いものであった。

図1.コクワActinidia argutaの花
☆☆植物図鑑をたくさん出しているSuzukiさんからこの花はサルナシではなくて、マタタビA.polygamaであると指摘されました。
サルナシの葯は黒っぽく、マタタビが黄色っぽいとのことです。☆☆
図2.花を大きくして良く見ると、、、
中央の回りの黄色のは雄蕊の花粉が詰まった葯だろう。その雄蕊は円錐状の柱頭を囲っている。その柱頭の上にも何本もの白く透き通った先が粘液質のものがある。これは雌蕊だろう。するとコクワの花は雌雄同花?
でも不思議、ぼくは毎年晩秋になるとコクワの木(蔓)を見つけると実を探す。しかし、東丹沢山麓のコクワは蔓は太いのに全く実をつけないものが多いので、毎年ガッカリする。
図3.何と実が既に生り始めている
これは自家受粉しているってこと?じゃー、どうして実が一つもつかないコクワがあるのかな?それは雄木で雄花しかつかないのかな?
そんな事ってあるのかな?雌木もあるのかな?
動物だと、オスがいて、メスがいて、さらに雌雄同体の個体がいる?そんな動物いるのかな?