2020年4月7日火曜日

テンやタヌキの食物をとり方 How to get foods of a marten and a racoon dog

4月3日に早戸川林道・金沢林道・稜線までの尾根・登山道を歩いた時に見つけ拾ったテン糞2個とタヌキ糞2個を洗ったので内容物を紹介し、その食物の取り方を考えた。
テン糞①はカモシカを埋めたところで、テン糞②は御殿森ノ頭付近で、タヌキ糞①と②は尾根上で見つけた(図5)。
図1. 8:28 テン糞①
膜翅目翅・肢・腹部胸部頭部外皮・触覚
図2. 12:18 テン糞②
キブシ種子・果肉、ムカデ4cm、齧歯目(ネズミ科)左上顎切歯・骨片

宮ヶ瀬湖沿いで見つけたテン糞①は、全てが膜翅目の翅や外皮だった。この糞をした個体は膜翅目が越冬している岩穴や樹洞などに顔を突っ込んでヒゲの触覚で感知して食べたものだと思われる。御殿森ノ頭付近で見つけたテン糞②の個体は、干乾びて木についているキブシの果実だけを臭いで感知して食べ、同じように独特の臭いを感知してムカデを食べ、ネズミの仲間(切歯のカーブと全体の大きさと、左右の幅から、このネズミはヒメネズミかカヤネズミと推定した)の動き回る音を聴き分けて食べたものと思われる。

図3. 10:18 タヌキ糞①
6センチくらいの大型獣(多分シカ)の5,6本の毛・皮革部分、ヒノキの葉の砕片を含む腐葉砕片、節足動物外皮・肢、砂利、砂泥
図4. 10:31 タヌキ糞②
3~6センチくらいの大型獣の毛、腐葉砕片、昆虫産卵管・肢・外骨格、砂泥

タヌキ糞①と②のタメ糞の場所は100メートルちょっとしか離れていないので、同じ集団のものだろう。彼らはシカの腐肉を食べ、腐葉層を漁って昆虫やムカデ、クモなどの節足動物の仲間を食べたのだ。シカの腐肉は臭いで感知し、腐葉層に生息する節足動物類はヒゲや口吻や舌の触覚で感知して食べているのだろうか? 腐葉砕片もたくさん混じっているから、腐葉層の節足動物を食べる時は腐葉ごと節足動物も食べているのだろう。

タヌキもテンも視覚で食物を探して食べているのではなく、嗅覚や聴覚、及び触覚で食物を感知して食べていると考えられる。ぼくらヒトは、先ず見て食物を手に取り(視覚)、臭いを嗅いで確かめ(嗅覚)、口に入れて味(味覚)や舌触り(触覚)で食べるのを止めたりする。
図5. 移動ルートと糞発見地点
〇:イノシシ糞、①:テン糞①とカモシカ滑落死体を埋めた場所①、②:タヌキのタメ糞

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