2020年4月13日月曜日

テン糞11に含まれていたヒミズの歯と爪 The tooth and nails of ヒミズの歯と爪 The tooth and nails of Japanese shrew mole that were included in the morten's feces.

このブログを新型コロナで学校へ行けない専門学校の学生たちも見ているようなので、テン糞11に含まれていた小哺乳類の毛とともに歯や骨が出てきた。この小哺乳類をヒミズと同定した。糞の水洗いから同定までの過程をお伝えしよう。
図1. テン糞11 Japanese morten's feces
糞を茶漉しに容れて水洗いする(流水がベター)と哺乳類の毛が出て来ることがある。毛が黒っぽく細くて15ミリ以下であり、これらの毛が腐葉や節足動物の外骨格の砕片と絡み合っているような場合は、もう小哺乳類(日本産の小翼手亜目と齧歯目とトガリネズミ目)毛だ。
洗って茶漉しに残った内容物をピンセットで丁寧に分ける。この時に、内容物を白いプラスチックの鉢受け(直径12センチ前後、100均の園芸コーナーで買える)に空けて、量に応じて大きなスプーン一杯くらいの水を加える。毛をピンセットで摘んでその水の中で振って、毛に絡みついている骨片や歯を落とし毛を茶漉しから取り除く。同じように、植物の破片や節足動物の外骨格や肢なども取り除く。
残った物の中の白色の硬い物が骨や歯だ。透き通るような白さの物は歯だ。トガリネズミ目のジネズミやヒミズの歯は非常に小さい(太さ1mm以下、長さ4mm以下)なので目を凝らし集中して探す。テン糞11からそうやって、探し出したのが図2の骨や歯である。
図2. テン糞11の内容物の歯、骨、爪
A:下顎臼歯mandible molar、B:上顎第一切歯maxilla incisorと、C,C':爪nail、D:指骨と毛phalange and fur、他は骨片である。Aの臼歯でネズミ科ではないことが分かり、
C、C'の爪でヒミズかヒメヒミズ(トガリネズミ目モグラ科モグラ亜科)と判り、Bの切歯でヒミズの切歯だと解る。Aの咬面だけを見ると(図3)、小翼手亜目のコウモリたちの臼歯にも似ている(図3)。爪が無かったら、小翼手亜目としたかも知れない。
図3. 下顎臼歯の咬面
いずれにしても同定する場合必要なのは、ぼくにとっては手にとって比べることができる標本があることである。
これから、このような動物糞の中の小哺乳類の歯や骨を同定する場合に小哺乳類の歯や骨のサイズを記載したあるいは1mm方眼紙に載せて撮った図鑑が求められる。

昨夜から糞中の小哺乳類の内容物についての論文をネットサーフィンしながら見ていたら、ブラジルの大西洋岸の森に生息する6種類のネズミと2種類のオポッサムの胃内容物についての報告があった。生きている動物を殺して胃を裂いて内容物を調べているのだ。もう、何年も森を歩いて動物の死骸を拾って骨や歯を見ている。しかし、全てが揃っている死骸は非常に少ない。完全なる死骸を見つけた場合は、偶然に感謝したい位だ。ぼくらが学生の頃の先生方の話しを聞くとネズミはもちろんのことイヌやブタも生きている個体を殺して解剖して調べたようだ。
第二次世界大戦時の石井部隊こと731部隊は人間に対してそのような事をやっていたのだ。しかも生体を使っての実験までしている。悪魔の部隊である。731部隊の中心は医者だが、治療すべき医者が反対の事をしているのだ。

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