5日の鐘ヶ嶽への山歩きで拾ったテン糞9個の内、1個からマタタビの果実を食べた糞(テン糞)があった。テンが果実を食べると柔らかいヤマグワの実でもその果皮や果肉を消化・吸収できずに果実をそのまま糞として排泄されることが多い。
晩夏からテンはサルナシの果実食いが盛んになるが、種子や果皮はもちろんのこと果肉も消化されないで、まるでサルナシの実を潰しただけのような状態で排泄される。そんな場合でもサルナシの種子の周りには果肉がまったくついていない。
今まで、テン糞の内容物に含まれていたサルナシ種子・果肉・果皮としていた中で、もしかしたらマタタビの果実を食べた糞もサルナシとしていたかな?っと一抹の不安があった。それは、サルナシとマタタビの種子の形状が良く似ているからである。
しかし、今回、確実にマタタビの果実を食べたと思われる糞を拾った。その糞を洗っても種子の周りの薄い膜が剥がれない(図1)。サルナシの場合は糞として出てきた時から種子だけである(図2)。
図2の種子では、右上のサルナシとマタタビを一目瞭然に区別ができる。形状が似ていても、大きさが違う。マタタビの種子はサルナシの半分くらいだ。更に、糞として排泄された時はサルナシの種子は薄い膜で覆われていない。今まで、サルナシと同定してきていた事には間違いは無いと思う。
洗うと見た目の果肉付き果皮だけではサルナシかマタタビの区別は難しいが、種子は大きく異なる。
図1.マタタビの薄い透明の膜で覆われた種子
但し、右上の2個は膜と取り除いた。
図2.右上の赤線で囲ったのはサルナシの種子、緑線で囲ったのは薄い膜を取り除いたマタタビの種子
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