2019年5月1日水曜日

アカ、ヒメ、カヤの骨の大きさ比較  The bone size comparison of three mice.

 4月に入って1日、9日、19日に伊勢沢林道を歩き、24日に専門学校の丹沢実習で仏果山を歩いてきた。いずれの場合もテンなどの糞を拾ってきて内容物を調べたが、歯や上腕骨や大腿骨などの長骨の近位端か遠位端が混じっているとかなりの確度で小動物種が同定できるようになってきた(と自分では思っている)。以下は、もちろん丹沢山麓に限定しての話しである。
 糞の内容物2cm以下の小哺乳類の毛が入っていた場合は、歯や骨が混じっていないか目を皿のようにして探す。何故か、このような毛は毛玉になっているので、それをほぐすことになる。もちろん僅かしか毛がはいっていない場合もある。
 小哺乳類とは、ここではリスよりも小さな哺乳類だ。そうなるとトガリネズミ目か齧歯目となる。
 トガリネズミ目か齧歯目は骨が見つかれば分かる。歯が見つかれば確実だ!
 今回は齧歯目ネズミ科Muridaeネズミ亜科Murinaeのアカネズミ、ヒメネズミ、カヤネズミの骨による仕分けである。ヤマネこれまで9個の糞から確認しているが、臼歯が出てこない限りぼくには同定できない(ヤマネの死骸が欲しい)。また、ハタネズミ亜科のネズミは犬歯の厚さと臼歯でネズミ亜科と区別できる。しかし、何故かこれまで丹沢では1個の糞からしか見つかっていない。
 下の図1を見て欲しい。見ての通り右から、肩甲骨、上腕骨、橈骨、尺骨、大腿骨、脛骨+腓骨、上下切歯と左下顎骨と切歯である。上段がアカネズミ、中段がカヤネズミ(切歯がない)、下段がヒメネズミの骨と歯だ。
 大雑把に見積もって中段のカヤネズミの骨の大きさを1とするとアカネズミは2でヒメネズミは1.5である。是非、長さや太さなどから見て欲しい。カヤネズミの頭骨部分がどこに仕舞ったのか、、、、。
図1. 3種ネズミの大きさ比較
上:アカネズミApodemus speciosus 中:カヤネズミMicromys minutus 下:ヒメネズミApodemus argenteus
from left scapula, humerus, radius, ulna, femur, tibia+fibula,upper & under incisor,  mandible with incisor & molar
このカヤネズミとヒメネズミはやまぼうしさんから死体を頂いたものだ(ボケていて、カヤやヒメの骨は無いと思っていた。それが突然思い出した)。

 図1の3種の骨比較から判断すると、アカネズミの骨標本さえ持っていれば、他2種の骨もある程度同定できそうだが、どうだろうか?

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