2019年4月15日月曜日

テンにとって一番食糧の少ない時季は今だ! The most scarcity of foods for the marten is this season!

4月9日の伊勢沢林道・焼小屋沢橋・焼小屋沢左岸尾根・登山道・黍殻山避難小屋・大平分岐・奥野林道・水沢橋と歩いて、拾ってきた2個のタヌキ糞と9個のテン糞の内容物について記す。
伊勢沢林道では前夜から明け方までが雨だったため、テンが巣穴に閉じ籠っていたために糞を見つけることはできなかった。
タヌキ糞1、2及びテン糞1~6は全て焼小屋沢左岸尾根で。テン糞7,8,9は奥野林道で見つけた。
どの糞にもキブシの種子が混入していた(表1を参照)。まだ、尾根でも奥野林道でもテン糞の内容物にはヤブツバキの雄蕊の葯や、小動物の毛が含まれていた。
それぞれの糞とその内容物を下記した。
また、それぞれの糞を見つけた場所をGPS上のウェイポイントで落とした(図1参照)。

10:03 タヌキ糞1
キブシ種子・果肉果皮、ケンポナシ種子、サルナシ種子、腐葉砕片、節足動物脚・外骨格・外皮、膜翅目翅・肢、砂泥

10:14 タヌキ糞2
キブシ種子・果肉果柄、腐葉砕片、節足動物脚・外皮、砂泥

9:07 テン糞1
キブシ種子、硬い殻の砕片(ヤマフジorジャケツイバラの果実?)、腐葉砕片、膜翅目翅

10:19 テン糞2
キブシ種子果実、腐葉砕片、小哺乳類毛

10:21 テン糞3
アカネズミ左右の下顎骨切歯・左下顎骨第一臼歯・左右上顎第一臼歯・臼歯3本・左右寛骨窩・大腿骨骨頭・頭骨片・骨片、毛
図1.A:カヤネズミ右上切歯(テン糞5から) B:アカネズミ右上切歯

10:36 テン糞4
ヤブツバキ雄蕊の葯、キブシ種子、腐葉砕片、ムカデ4センチ、砂泥

11:07 テン糞5
キブシ種子・果実、ヤブツバキ雄蕊の葯、腐葉砕片、カヤネズミ右上切歯(図1.参照)・骨片・毛

11:09 テン糞6
小哺乳類毛・骨片、キブシ種子1個、砂泥
以下は奥野林道で
14:47 テン糞7
キブシ種子果実、小哺乳類毛多

14:52 テン糞8
キブシ種子果実、ヤブツバキ雄蕊葯、カヤネズミ毛・大腿骨片骨片

14:54 テン糞9
キブシ種子果実、ヤブツバキ雄蕊葯、硬い殻の砕片、ヒノキの芽、小哺乳類毛骨片

今回は尾根上で見つけたテン糞5と奥野林道で見つけたテン糞8からカヤネズミの歯や骨と思われるものが出てきた。さらに5個の糞からアカネズミを含む小哺乳類の毛などが出てきた。つまり、テン糞9個の内7個にもあたる。この時季は小哺乳類も活発に動き出すためにテンに狙われるということなのだろうか?それとも、この時季は他の時季に比べて、テンたちは食糧不足で血眼(ちまなこ)になって動物を探しているということなのかもしれない。
小哺乳類の毛が見つかると、目を皿のようにして歯や骨を探す。テン糞3と5と8からは歯が出てきたので小哺乳類を同定できたが、上肢や下肢の長骨の部分が見つかるとかなり同定できるのだが、そうでない場合はジネズミ、カワネズミ、ヒミズかネズミ科さえも区別できない。毛で判ると良いのだが、「日本産哺乳動物毛図鑑」北大出版を買ったが、走査電子顕微鏡の世界の毛の図鑑だった。ぼくには使えない代物だ!

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