丹沢の山頂はまだ雪に覆われていない。しかし、標高700メートル以上のところは陽が当たるところは霜柱が融けるが、日陰は終日、凍った零度以下の気温である。特に27日の尾根・稜線付近は突き刺すような冷たい強風が吹いていた。
そんな、気温の中でテンMartes melapusはどんなものを食べているのだろうか?今回は、11個のテン糞を拾った。その見つけた場所は下のルート図の中に①~⑪として記している。
10:10 テン糞①
マメガキ種子果皮果肉、双翅目or膜翅目翅脚
10:17 テン糞②
マメガキ種子果肉果皮
10:21 テン糞③
マメガキ種子果肉果皮
10:45 テン糞④
腐葉砕片、甲虫外骨格外翅、土砂
11:31 テン糞⑤
サルナシ種子、バッタ脚外骨格、甲虫外骨格外翅脚、小哺乳類毛
12月27日のルート図とテン糞①~⑪の場所
11:36 テン糞⑥
サルナシ種子果肉果皮、バッタ産卵管外皮翅脚、小哺乳類毛
11:39 テン糞⑦
サルナシ種子果肉果皮
11:53 テン糞⑧
サルナシ種子果肉果皮、バッタ脚
12:04 テン糞⑨
サルナシ種子果肉果皮
14:16 テン糞⑩
サルナシ種子果皮果肉、マメガキ種子果肉果皮、カマドウマ脚
14:25 テン糞⑪
サルナシ種子果皮果肉、ムカデ外皮脚、バッタ脚外皮翅
テン糞①~⑪の内容物表
テン糞④は内容物の大半が土砂で、残ったのが腐葉砕片と甲虫の外骨格や外翅の砕片であった。洗っていて、これはテン糞ではなくてアナグマ糞かな?とも思ったほどだ。あらためてテン糞④の写真を見て、やはりテン糞だと確信した。テンもアナグマのように腐葉層を漁って節足動物などを食べることがあるんだ!
糞⑤と糞⑥には小哺乳類(ヒミズかネズミか?)の毛とバッタの脚などが混入していたので同一個体の糞であろう。また、同じように糞①、②、③もマメガキを主に食べた糞であり、100mも離れていない距離にあるので、同一個体のものと思われる。
このルート一帯に生息するテンの初冬季の食物は、まだ、木にぶら下っているサルナシやマメガキの果実を食べて炭水化物を摂り、バッタやカマドウマや甲虫やムカデなどで動物蛋白質を摂っている。ヒミズかネズミなどの小哺乳類を食べることができたのは幸運なテンだろう。
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