2017年6月2日金曜日

トビの解剖 The anatomy of a black kite.

昨日の専門学校の授業ではトビMilvus migransの解剖を行った。このトビは、名古屋空港周辺にいて、飛行機が飛び立つ時にエンジンに吸い込まれたりしてBird Strikeバードストライクを起こすので、その前に撃たれた個体だ。
冷凍していたものを火曜日から冷蔵庫に移して解凍していたのだ。胸に散弾が一発入った痕があった。しかし、散弾を見つけることができなかった。
Fig.1  解剖前のトビ
Fig.2  解剖を始めた学生たち
先ず、胸の羽毛を取って、首から胸の皮膚を剥いて左右の大胸筋を出し、気管を剥き出して持ってきたストローで息を吹き込み、気嚢の膨らみを見る。胸に散弾が通って穴が開いているが、気管から息を吹き込むと胸全体が膨らむので皆驚く。胸に穴が開いていなければ大きな気嚢の位置を押さえることができそうだった。この後、右大胸筋を竜骨突起から切り離す。ここまで、ぼくがやり、これ以降は学生たちにメスやハサミを渡し、彼らに任せる。
学生たちわいわい言いながら楽しんでいる。授業でこんなに楽しそうな学生を見ることはない。座学でぼくが話していると居眠りする学生もいるのに、やはり、専門学校に来る学生は山を歩いたり、実践がしたいのだ。
Fig.3 頭部はIさんが持ち帰り
皆、それぞれ、頭部、尾羽、羽根、足、集合胸椎や座骨などを大事に取り分ける。内臓の消化器官系や呼吸器系を大皿に取り分ける。砂嚢(すなぎも)が親指状で長く、ニワトリの円い円盤状のものと異なるので半分に裂いて確かめる。小石の数はニワトリとは違って少なく、砂嚢そのものも柔らかい。
解剖を終えた後、お昼休みなので皆で外に出て公園でお昼を食べる。月末の30日は久しぶりの丹沢実習だ!雨にやられるだろうが、皆、外に出たい。


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