2017年3月20日に大倉・マルガヤ尾根・鍋割山のルートで見つけ拾ってきたテン糞を洗って内容物を調べた。
テン糞①~⑦の7個の内容物をまとめてTable 1に示し、
また、7個のテン糞を見つけた位置を図Fig.8に表した。
8:26、テン糞①を見つける。糞の外観だけで昆虫以外の動物を食べたのが判る。
有蹄類骨片・蹄の一部・3-4センチ毛、アカネズミ毛・骨片・右下顎切歯
(下顎の切歯の厚さからハタネズミ亜科の切歯ではなく、ネズミ亜科の切歯であることが判ったので、手持ちの標本と照らし合わせてアカネズミとしました)
Fig.1 テン糞①
8:47、テン糞②だ!これは、もうキブシの種子が見える。
キブシ種子、腐葉砕片、ムカデ外皮、大型哺乳類(偶蹄類)毛1~4センチ
(①には蹄の一部があったが、これも同じ死骸を食べたものだろう。そうすると猟期に撃たれ沢で解体されて残った皮や骨を齧ったものだ)
(①には蹄の一部があったが、これも同じ死骸を食べたものだろう。そうすると猟期に撃たれ沢で解体されて残った皮や骨を齧ったものだ)
Fig.2 テン糞②
8:53、テン糞③ これもキブシの小さな種子が糞表面に浮き出ている。
キブシ種子、腐葉砕片、節足動物外皮脚、カエル脊柱骨1個
Fig.3 テン糞③
キブシ種子、腐葉砕片
Fig.4 テン糞④
9:37、テン糞⑤、もうこの時は一緒に歩いている若者たちが先に歩きながら教えてくれる。キブシ種子、腐葉砕片、節足動物外皮・脚
Fig.5 テン糞⑤
9:41、テン糞⑥、これは何を食べた糞なのか判らなかった。
キブシ種子、オオウラジロノキ果肉果皮種子(オオウラジロノキの黒く大きな種子が2個でてきた。オオウラジロノキの果実を食べた糞には、果皮付き果肉が消化されないまま出てくるので、判断しやすい)
Fig.6 テン糞⑥
11:23、テン糞⑦ このテン糞だけがマルガヤ尾根で見つけたものだ。
キブシ種子、腐葉砕片、大型甲虫外骨格・外羽(マルガヤ尾根ではタヌキ糞が見られ、テン糞はこれだけだったので、内容物を楽しみにしていたが、西山林道沿いで拾ったテン糞の内容物を変わらないものだ)
Fig.7, 11:23、テン糞⑦
Table 1 テン糞①~⑦の内容物
内容物のTable 1を見ると、①と②だけが哺乳類を食べたものであり、他は落下して発酵しているキブシの果実と腐葉層に潜んでいる節足動物を漁ったものだ。丹沢山麓に生息しているタヌキもテンも厳冬期はキブシの果実が唯一の彼らの飢えを満たす食物だ!と云える。
Fig.8 テン糞①~⑦とイタチ糞●の位置
イタチ糞の内容物は次回に!
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