2017年4月13日木曜日

庭の草むしり  Weeding out in the back yard.

 連れ合いが草むしりを始めた。ぼくは、春の草むしりは殆んどしない。春に芽生えてくる草が好きなのだ。というよりも土から出てくる新芽を楽しんでいるのだ。北海道釧路生まれのぼくにとっては氷の下から出てくる草は神秘的とも思えるほど、不思議な美しを持ち、可愛く貴重なものであったのだ。
 寒い道東地方の今頃は根雪となって氷も融けて青い草が出てくるころである。しかし、人々は3月頃から黒い土が見たいために、氷を割り、それを日向に出して融かしていく。凍った根雪の下に埋もれた厚紙や板切れの下に青い草の芽生えが出ていることがある。このような産まれたばかりの赤ん坊のように弱弱しい青い草を見つけると、夕方からは凍ってしまうので、また、紙や板を乗せて雪の塊でおおってやったものだ。
 だから、春に土から顔を出す萌黄色の柔らかい草を草むしりと称して抜こうなどという気持ちは全く起こらない。
 恐らく、スコットランドやアイルランドやロシア、アラスカの氷の国で生活する人々も春になって雪融け、氷融けとともに地面から表われる草に対しては同じような思いがあるだろうっと思っている。
庭のカエデの新葉は、柔らかそうだ!

これは、サンショウの新葉と花芽だ。皆、柔らかそう!

 が、そんな寒い釧路でも5月になるとサクラが咲き始め、原野は萌黄色の草で覆われる。こうなると、3月の頃の草の想いとは別に、水をたくさん含んだ泥炭層の土から出てきたアイヌネギ(ギョウジャニンニク)採りやスズラン狩りに夢中になる。

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