2016年1月7日木曜日

テン糞とタヌキ糞の内容物 The contents of racoon dog & marten scats.

1月4日に広沢寺温泉から見城山・日向山・梅ノ木尾根の大沢分岐・山ノ神隧道のルートで
テン糞6カ所とタヌキ糞1カ所で見つけ拾ってきた糞を水洗いした。
下の図は糞を見つけた場所を示す。

通年なら1月の厳冬期に入り、霜が降り、霜柱が何度も出来たり融けたりして早朝の林床は氷結しているが、日の当たる斜面では表面が融けてはいるが3、4センチ下は凍っている。
しかし、今冬は暖冬のため、雨量の少ない関東の太平洋側の山塊は埃っぽいほどカラカラに乾いている。

このような天候による山の外的環境の変化が、山で暮らす動物たちにとって、今までとは違って温かくて過ごしやすいものなのか、あるいはまた温かいが為に過ごしづらいものなのか、ちょっと不明である。

林床に落ちた果実を見つけるには凍った雪が無いだけに簡単だ。そういう意味では過ごしやすい冬なのかな?しかし、昆虫などの節足動物、さらにはネズミやトガリネズミなどの小哺乳類はこのような暖冬では、どのようなところに越冬するのだろうか?それによってテンやタヌキたちの食料事情も変わることになるだろう。

ともかく、見つけたテン糞①~⑥を下記にアップする。
内容物で最も多かったのは、マメガキの種子・果肉・果皮で3個の糞から、エゾエノキの種子・果肉・果皮が2個の糞から、さらに、キブシやヒサカキカマツカの種子が1個の糞に入っていた。
テン糞②、④はマメガキの種子と果肉・果皮だけであり、テン糞③はエゾエノキの種子と果肉・果皮だけであった。テン糞⑤はキブシ種子とカマツカの種子・果肉・果皮であったが、キブシの種子は10個と非常に称するであった。また、テン糞⑥はマメガキ種子が1個だけであり、多数のヒサカキ種子・果肉・果皮が含まれさらにバッタの脚が一本入っていた。

タヌキ糞ではマメガキの種子と腐葉砕片や昆虫の脚翅外骨格がたくさん入っており、マメガキの種皮の色も腐葉砕片や昆虫の外骨格のように黒く染まっていた。テン糞にマメガキの種子が入っていた場合は果肉つき果皮もあるのだが、タヌキ糞では果肉・果皮と判断できるものが見られなかった。

タヌキとテンでは、果実の果肉や果皮などの植物繊維の消化能力に違いがあることが判る。
表1に分析結果を載せた。

9:20、テン糞①

9:27、テン糞②

9:57、テン糞③

12:23、テン糞④

12:27、テン糞⑤

13:37、テン糞⑥

13:47、タヌキ糞

表1 糞の内容物

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