2016年1月31日日曜日

足跡や食痕、角砥ぎなどのフィールサイン1) ①Animal field signs of tracks, feeding signs, scats,and scraping.

昨日の辺室山は積雪が深いところでは20センチくらいあった。
雪の表面は凍っているため、一歩一歩足を雪面に乗せる度に一度は体重を支えてくれたかのように思うのだが、ガクッと落ち込む。初めの頃はそれを楽しんでいたが、、、、。
途中からはなるべく積雪が浅い所や無いところをあるいた。

今日は、見た動物たちのフィールドサインを時間をおってアップする。
9:40、①先ず、シカの足跡だ!
今朝、2、3頭のメスグループが歩いたようだ。
 9:43、②雪がない吹き曝しの尾根上にタヌキ糞だ。タヌキたちのトイレだ。溜め糞になっている。
色の褐色のが新しいようなのでそれを拾ってきた。
これらの糞は氷ついているので登山靴の先で蹴とばして、一塊を拾いあげた。
10:01、③カモシカの足跡(第三指の爪と第四指の爪が広がっている。
10:01、④ミヤマシキミがカモシカに食べられている。
 10:11、⑤カモシカの角砥ぎの痕だ!
 10:13、⑥なんとシロダモが食べられている。初めての観察だ!カモシカだろう。
 10:19、⑦テン糞だ!もちろん拾う。
 10:24、⑧カモシカの足跡だ!どうもこの辺りにオスとメスの2頭のカモシカが重複した行動域を持っているようだ。
 10:25、⑨ヒイラギが食べられている。カモシカだろう。
シカは主に草食でカモシカは葉食が主だろうから、このような判断をしている。今は猟期だから、丹沢で撃たれたシカの胃の内容物についてはとうに調べられているだろう。シカはどのくらいの割合で樹皮や木の葉をたべているのだろうか?草食だけなら、丹沢の冬では食べるものがほとんど無い。
上記のフィールドサインの確認地点を下図のGPS上のルートの①~⑨である。
今回歩いた距離はGPS上で8.2キロであった。
これだけでも、帰路もうすぐ煤ケ谷の集落に着くというところで左脚の太腿が攣り、
今日高校生向けの体験授業があって専門学校に行った帰り、同じところが攣ったので驚いた。

2016年1月30日土曜日

雪景色!  Snow scene!

 「丹沢サル観察し隊」で、今日、辺室山の雪上の足跡観察会を行った。
日程を決めたのは昨年であったので、今日参加予定がぼくを含めて8名だったが、
昨日になって5名取り止めとなった。
不参加になったのも当然だ。
都心は大雪予報で、清川村の天気予報も雨か雪か曇りかはっきりしなかった。
しかし、夕方の予報では明け方まで雨か雪だが、その後は曇りの予報だった。
ぼくが決行を決めてメールで流したが、5名の人たちは全国の予報をテレビで見て取り止めたのだ。

本厚木発宮ケ瀬行きのバスはぼくら3人だけ。
バスが出るまでは冷たい雨が降っていたが、ぼくは「土山峠に着く頃には雨は上がる」とTとHに言い放つ。
雨の上がった土山峠に下りたTとHの二人。既に、スパッツは付けているので、ストックを持って出発だ。
辺室山までは登りの連続で汗だくになる筈だが、寒いくらで着込むくらいだ。
前夜からの雨まじりの雪が氷となって木の枝についている。樹氷となっているのだ。
寒さがゆるんで枝の氷が落ちるかと思ったが、美しく凍った木々が綺麗で、何度も立ち止まって写真を撮る。3人で「来て良かった、良かった」と言い合いながら自然と笑顔になる。
丹沢の氷の女王が 出てくるような感じだ。
登りは登山靴で雪を蹴ってステップを作り、一歩一歩登る。
辺室山山頂でアイゼンを装着する。
アイゼンが気持よくザック、ザックと氷雪に突き刺さる。
物見峠でお昼にしたが、13時を回っていた。
ぼくはもうすぐ煤ケ谷の集落に着くというところで、滑りそうになりそれを堪えたために左の太腿が攣り
ほとんど歩けなくなる。先に行った二人を水を飲みながら一歩一歩追う。
16時4分の煤ケ谷発のバスに運良く間に合う。
今日は素晴らしい日だと、本厚木駅前で3人だけの懇親会をやる。

2016年1月28日木曜日

北海道を開発・開拓した「常紋トンネル」と「赤い人」から

昨年、11月にお袋の三回忌で帰省した時に、お袋の部屋に寝た。帰省するときは機内では機内誌を見ている内に釧路に着くし、実家ではお袋や親父が見ていた本が片付けられずにそのまま本箱に納まっているので、それを読むことにしている。ただ、帰路の便は同じ機内誌になることが多いので、実家から1、2冊持ってきたものを読む。
司馬遼太郎の「街道をゆく:北海道の諸道」を持ってきた。

この本の中で北海道の開拓のための道路工事や鉄道工事の為に身を粉にして働かされた囚人労働者や騙されて内地から北海道に連れて来られたタコ労働者について書かれた本があることを知った。
刑務所に収監された囚人労働者についての吉村昭の「赤い人」とタコ労働者についての小池喜孝の「常紋トンネル」を司馬遼太郎は読み終えた後、しばらく呼吸ができないほどの胸の痛みを覚えたような事を書いていた。ぼくはこの2冊の本に興味をもった。

正月に入って、アマゾンで「赤い人」と「常紋トンネル」を注文した。「常紋トンネル」は絶版のため文庫本でも1500円くらいした。先ず、「赤い人」を読み、続いて「常紋トンネル」を読んだ。赤い人は1日で読んだが、常紋トンネルは読む途中で何度も休んだ。間を置かないと当時の労働者たちが牛馬のごとく扱われる様子が目に浮かび、苦しくなり、暗澹たる気持ちになってとても続けて読めないのだ。

囚人の赤い人も、周旋屋に騙されて連れて来られたタコ労働者も、氷のような固まった雪原の上を裸足で働かされる。食事は凍ったご飯に漬物だけだ。現在のぼくらには俄かには信じがたい状況の描写の連続だ。人柱として何人もの病気なって動けなくなった者たちを埋葬もせずに埋める。逃げる者たちは捕まると見せしめのためにリンチを受け殺される。警察も行政も見て見ぬふりをする。

肉体労働者の人権が改善されたのは、戦争に負けてGHQがタコ部屋制度を廃止させたからだ。それまでは、朝鮮人や中国人も騙されて半強制的に炭鉱やトンネル工事などで人権無視の強制労働がされていたようだ。

北海道は、屯田兵、囚人、タコ労働者、朝鮮・中国からの強制労働者によって開発・開拓されたのだ。

ぼくが子供の頃のバス遠足は釧路から阿寒湖や摩周湖だった。その道はマリモ国道と呼ばれ難工事であったため、多くの人たちが犠牲になったということを聞いていた。それが、赤い人やタコ労働者だったのだ。

ぼくが学生の頃の肉体労働の仕事は早朝の桜木町駅前で手配師が日雇いの者たちを集めて工事現場や貨物船にマイクロバスで連れていく。日雇いの人たちの中には、ぼくのような学生もいれば中高年の衣類や顔が汚れてまだ飲んだくれている者たちもいた。
手配師は、「兄ちゃん俺の100円出すからこの仕事やってくれない!」なんて言ってぼくらを誘う。ぼくらは船底に潜って小麦をモッコに積み入れたり、道路工事や地下工事の土方作業をやらされた。

手配師から出された100円は当然ぼくらの金をピンハネしているお金だ。戦後までいた周旋屋は北海道まで送り届ける交通費、食費、宿泊代などを前貸したようにして抜け出せなくしている。

周旋屋は手配師に、今では名前を代えて派遣業として労働者を搾取し、派遣された会社・工場は今はブラック企業と云われる。

労働に応じたお金が流れているわけでなく、働いても貧困から抜け出せない。お金の大半は仕事を持ってきた政治家と元受企業が搾取し、残りを下請けや孫請けが取り、労働者はほんの僅かの金だけだ。戦前のタコ労働の世界が現在でも続いている。

日本の建設を含む労働業界は、今も昔も変わらない縦社会の搾取構造をもっている。ゼネコンと云われる大企業が仕事を受注して、下請け、孫請け、さらなる下位の業者が実際の仕事を行う。そんな綻びがたくさん出てきている。原発に直接関わる仕事の労働者、マンションや道路建設の労働者、全て孫請けなどの下位業者の搾取されて低賃金でも働かざるをえない人たちだ。

2016年1月26日火曜日

パフィオペディラムが咲き始めた。  The flower of Paphiopedilum has begun to bloom.

今日は、専門学校の後期試験だった。
1時限目、2時限目と動物行動学の試験をやり、答案用紙を採点のために持ち帰った。
帰宅したのが2時過ぎで、コーヒーを沸かして、採点に取り掛かった。
白紙に近い状態で提出した学生が2名いた。
また、100点満点もいた。
このTCA専門学校は入学試験はないので、入りたい者を全て受け入れるので、さまざまな者たちが入学してくることになる。勉学に問題がある者から大学を卒業してきた者、休みがちな者、朝起きられなくて遅刻する者、夜遅くまでバイトをしている者、犬、猫以外にデグーのような小動物を飼っている者、イグアナを飼っている者など賑やかだ。誰もが動物が大好きなことは間違いない。
試験はできなくても、フェレットの事なら何でも知っているし、次々に子供を産ませることができる。

動物行動学の試験の採点は10点だと通常は不可の評価Dとなるところだ。
が、評価は試験の結果だけでつけるのではない。

パヒオペディラムが2個咲き始めた。
 あと、一クラス分の採点が残っている。頑張らなくてはならない。

2016年1月24日日曜日

ランの花の香り! The orchid flowers sending forth incense.

11月に入ってから部屋に取り込んだ洋ランの花たちが、あるものは蕾を膨らませ、あるものは花を開き
芳香をぼくの部屋中に放っている。
セロジネの花の匂いが一番強いので、ファレノプシスやカトレアたちは匂いに負けてしまう。
セロジネ
 下のファレノプシスはぼくがラン好きなので連れ合いがもう何年も前に買ってくれたものだ。
他のランたちは毎年株が増えていくが、ファレノプシスはなかなか株が増えてくれない。
これは、どうやって株が増えるのか不思議でもある。
 ファレノプシス
このカトレアも我が家の環境にあっているのか、株が増えるので知人に貰ってもらっている。
 カトレア
今、花芽をつけて来週にも咲きそうなのがパフィオペディラムだ。こやつも株が増えて困るくらいである。
ぼくが好きなデンドロビュームはまだまだ蕾も小さいので、2月になってからだろう。
屋外には、小豆島で買ったフウランや丹沢山麓で拾ったカヤランや沢に落ちていたヨウラクランなどが寒さに耐えるかのように葉を引き締めている。カヤランは数本も花枝を伸ばし温かくなるのを待っている。


2016年1月21日木曜日

初氷でも梅の花!   In the first freezing, plum blossom.

今朝庭の睡蓮鉢を見たら氷が張っている。
いよいよ寒さが本格的になってきた。
今日は、大寒なのもうなづける。
このところ日が長くなってきているが、日の出はまだ6時半頃だ。
早く、6時前の日の出になって欲しい。
それは、早起きしてもまだ暗くて朝の散歩も楽しめないからだ。
そんな訳で目覚めても外が暗いとまだ寝てよう!と思ってしまう。
まるで、冬ごもりするクマの気持が判るような感じになる。

睡蓮鉢の氷もお昼過ぎには全く融けてしまった。寒さはまだこれからだ!
それにしても、梅の花は不思議だ!こんな寒い時に毎年花を開くのだ。
この花はどうやって花粉を雌蕊に運ぶのか?虫などほとんど飛んでないのだから、虫媒花ではない、風なのかな?じゃーどうしてこんなに素敵な白い花弁になったのかな?甘い蜜に誘われてメジロやヒヨドリが来て花を啄むから、鳥かな?毎年、ちゃんと果実を実らせるから不思議だ。きっと、風がメインなのだろう。
4日の追突事故の事で保険屋さんから電話があった。ぼくが追突した車に乗っていたご家族には今のところムチ打ちなどの症状が出ていないようだ。有難いことだ!向こうには小さな子供も乗っていたのでまだまだ安心はできない。事故後、こちらの車も修理に出し、戻ってきたが、丹沢に行くのにまだ車を使っていない。
何となく、怖いのだ。
ぼくは、直線道路を走っていて2度、車の真横に追突されている。一度は娘を乗せて走っていて、横の細い道から出てきた車に追突された。もう一度はバイクで走っていて十字路で右折車がバイクにぶつかってきた。一度目は、こちも娘も怪我無しだったが、二度目は一ヶ月半の入院だった。
どちらの場合も、ぼくの車に気が付かなかったようだ。
バイク事故以来、四輪車でも十字路を直進するのがしばらく怖くなったことがある。
バイクは事故の時、大破したのでそれを機会に家族に止めさせられた。
また、乗りたくなっている。丹沢に行くには、バイクが手頃だし、追突事故なんて起こさないと思うからだ。

2016年1月20日水曜日

テンはマメガキばかりを食べている。    The marterns are eating only the date plum.

先週15日の丹沢実習の続きで、見つけたテン糞の内容物です。

9:56、テン糞①
マメガキ種子・果肉・果皮、昆虫脚
10:33、テン糞②
マメガキ種子・果肉・果皮、
 11:16、テン糞③
マメガキ種子・果肉・果皮
 11:23、テン糞④
マメガキ種子・果肉・果皮、昆虫脚・翅
11:40、テン糞⑤
マメガキ種子・果肉・果皮、昆虫外骨格・脚
11:54、テン糞⑥
マメガキ種子・果肉・果皮、カマドウマ脚
12:46、テン糞⑦
マメガキ種子・果肉・果皮、
13:05、テン糞⑧
バッタ脚・腹部外皮
13:12、テン糞⑨
オオウラジロノキ種子・果肉・果皮、キブシ種子・果肉・果皮、サルナシ種子、昆虫脚・翅
13:48、テン糞⑩
サルナシ種子・果肉・果皮
 14:43、テン糞⑪
マメガキ種子・果肉・果皮、昆虫脚・産卵管
 14:47、テン糞⑫
マメガキ種子・果肉・果皮、
 15:02、テン糞⑬
マメガキ種子・果肉・果皮、サルナシ種子・果肉・果皮
  15:04、テン糞⑭
ケンポナシ種子・果柄

上の14個の糞内容物を表にして、見やすくした。
表1.テン糞①~⑭に含まれていた内容物
表1.でも示したように、テン糞14個の内10個の中にマメガキの種子や果肉・果皮が含まれていた。
前回アップした5個のタヌキ糞の4個からマメガキの種子が出てきている。
この時季のテンやタヌキたちの主な食物はマメガキであるといえよう。
タヌキ糞では5個中3個からサルナシの種子も見つかったが、テン糞では⑨,⑩、⑬の糞からサルナシの種子がでてきた。⑩ではサルナシだけを食べたものであった。
糞⑨にキブシの種子や果肉・果皮がでてきた。マメガキやサルナシ、ケンポナシなどが残っている内は、キブシの実食いはその辺りにマメガキが無くなった場合になるのかもしれない。

どうも、この5年間の1月のテンやタヌキの食物としてのサルナシ、マメガキ、キブシ、ケンポナシ、エゾエノキ、オオウラジロノキなどの果実を見ると年変動が大きいということが分かった。
それぞれの豊作の年が違うので、テンやタヌキは全ての果実に対応してどれも食べているんだ。
Fig.1 ルート上のテン糞①~⑭の位置

ルート上の見つけたテン糞の位置から考えると、テンはこのルートでは標高や尾根沿い・沢沿いを問わず、生息しているようだ。



2016年1月19日火曜日

タヌキ糞の中身は?  What are the contents in the scats of racoon dog?

1月15日の丹沢実習で、土山峠から辺室山・物見峠を通って、不動沢左岸の尾根を下った。
歩いたルート図は下のFig.1にアップした。

今回は、タヌキ糞だけを水洗いして、糞内容物を調べた。

9:47、タヌキ糞①
マメガキ種子、サルナシ種子、腐葉砕片、砂、シカ毛多数
9:57、タヌキ糞②
サルナシ種子、ケンポナシ種子・果柄、バッタ産卵管・脚、シカ毛、小哺乳類毛
10:18、タヌキ糞③
マメガキ種子、腐葉砕片、小哺乳類毛多数
10:23、タヌキ糞④
マメガキ種子、ケンポナシ種子、寒天質状の物質、1、2センチ白毛・骨片(白毛と骨片からイノシシかな?)、1x3センチ四方の赤く厚い布切れ
12:42、タヌキ糞⑤
マメガキ種子・果肉・果皮、サルナシ種子、1センチ白毛

表1.タヌキ糞①、②、③、④、⑤の内容物のまとめ
5個の糞の内、マメガキの種子は4個から、サルナシの種子は3個から、ケンポナシの種子は2個の糞から出てきた。冬季のタヌキの糞内容物としてはお馴染みの物だ。キブシの種子が出てこないのがちょっと不思議だ。
動物質として、4個の糞からシカ毛やイノシシ毛と思われる毛が入っていた。10日(日)に辺室山一帯に猟犬の鳴き声と銃声がしていたので、狩猟後解体した後の捨てられた内臓を食べ、骨を齧ったものと思われる。タヌキ糞④の寒天質状の物はイノシシ?の内臓から出たものかもしれない。また、④から出た厚く赤い布きれは解体時の猟師の衣類の一部かもしれない。
③からはヒミズかジネズミの毛と思われるものが一塊出てきたが、骨や歯は出てこなかったので、同定できなかった。
Fig.1.1月15日のルートとタヌキ糞①~⑤があった位置

まだ、テン糞を水に浸けたままだ。外が寒いので、庭の水道栓で洗うには腹の下に力を入れなければ風邪を引いてしまいそうになる。しかし、我が家の周りの雪は全て消えてしまった。
30日(土)に再び、辺室山を自然観察で歩くが、もう一度降雪を期待する。

2016年1月18日月曜日

雪が降った朝は静か!   When it has snowed, the morning is quiet!

昨夜の雨が真夜中から雪になった。雪の降った朝は、騒音が雪に吸収されるためか静かだ。
二階のベランダから外を見た。雪が積もってはいるが、どんどん融けている。 
小田急線の線路沿いの道を通勤者が歩いている。
もう、べとべとの腐れ雪だ。
お日様が出ればすぐ融けて消えてしまうだろう。

来週の土曜日は、辺室山で「自然観察会」と称して「丹沢サル観察し隊」の皆さんと歩こうと思っていたが、当初の「雪上の足跡観察会」になるかな?
でも、10日以上もあるので清川村の雪も融けてしまうだろう。

ライブカメラで見ると宮ケ瀬は真っ白だ!
http://www.town.kiyokawa.kanagawa.jp/livecamera/index.html

2016年1月17日日曜日

カモシカのフィールドサイン   The field signs of Japanese serrow.

15日の丹沢実習で、辺室山・物見峠・不動沢右岸尾根を歩いた。

シカよりもカモシカのフィールドサインが目についた。
それは、恐らく、10日(日)にシカの個体数調節のための狩猟が行われたことにもよるだろう。
この1、2年以前に比べてシカを見る機会が少なくなっているのは個体数調節が行われている証でもある。

今回はカモシカのフィールドサインを見つけたので、それをアップしたい。
Fig.1はミヤマシキミがカモシカに食べられた痕である。
土山峠から辺室山、物見峠、三峰山、不動尻の登山道沿いのミヤマシキミはカモシカに食べられている。
Fig.1.食痕

Fig.2はカモシカがシキミの幼木の幹で角砥ぎをしたため、幹の周りの形成層部分まで剥がされたので
上部の部分が枯れかかってきている。
Fig.2.角砥ぎ

これは、シカの角砥ぎ!っと思った。が、近くによって見るとシカではなく、カモシカの角砥ぎであった。
それは、一見深く縦に彫られているように見えるが、カモシカの角砥ぎで形成層部分まで擦ったために
樹液が上から下に縦に流れた痕である。
Fig.3.角砥ぎ

Fig.4はカモシカの角砥ぎの痕だ。
 Fig.4. 角砥ぎ

Fig.5はカモシカの糞と考えて良いだろう。
この糞は随分長径が長い。
Fig.5. 糞

下のGPSのルート図は上のFig1.~Fig.5のカモシカのフィールドサインがあった場所だ。
Fig.6.GPS上のルート図
①から⑤はFig.1からFig.5を見つけた地点である。

学生たちは歩くのが早く、鳥たちに興味を持ち、落ちている羽根を拾ったりしているが、哺乳類のフィールドサインには注目しないのが、残念でならない。
もっとも、ぼくが野生動物探検隊の人たちと歩くと彼らは、植物、昆虫、鳥とありとあらゆる生き物に対して感動し、それらをルーペなどを使ってじっくりと観察しての歩みは、学生とぼくの歩みの比ではない。
自然に対する興味が、歩く速度になっているのかもしれない。
そういう意味で、野生動物探検隊の皆さんの自然に対する姿勢をもっと学ばなければならない。