2015年3月12日木曜日

モリアオガエルの下顎には歯がない。 The mandible of a forest green tree frog has no teeth.

昨年の11月4日にやまぼうしさんからもらったミイラ状になったモリアオガエルについては
11月18日にアップした。
テン糞などに入っている骨で哺乳類や鳥類でもないものがあるが、何の骨か分からない。脊椎動物の骨で、魚の骨は普段から魚を食べているので、骨を知っているつもりである。しかし、山にいるカエルやトカゲ、ヘビなどの両生類や爬虫類となると全く判らなかった。
それでも、ヘビやヤモリ、トカゲの死骸を拾ったり貰ったりしてそれらの歯に関しては識別できるようになってきた。しかし、両生類のカエルやイモリ、サンショウウオについてはまったく判らなかった。

先日やまぼうしさんからもらったモリアオガエルを見たら、まったく腐敗が進んでいないようだったので、先日、熱湯に浸して数日放置し、今日、入れ歯洗浄剤を容れて1時間おいて、流水で洗いながら骨を取り出した。
モリアオガエルの骨は、テンやイタチなどの食肉目の動物が食べたなら骨が華奢なので、小さな破片になり部位などを特定できるような状態として排泄されることは稀であろう。
ただ、左の直径1ミリ以下の細かな骨は手骨であるが、これらはこれまでも出てきた骨であり、
哺乳類の骨ではありえないくらい細く華奢だが、これは小さいだけに噛み砕かれずにそのまま出てくるものと思われる。

今日は晴天で風があったので、すぐ乾いた(下の写真)。
中央部分の線で囲ったのは、頭骨と脊椎で下のV字状の骨は、腸骨で、腸骨V字の真ん中に
左脚部分の上にある一本の骨が入る。尾骨のようだ。
右の線で囲った部分はこのまま左右の前肢と胸骨、鎖骨、or肩甲骨部分なのか不明だ。

手持ちの図鑑はウシガエルの骨格の名称では、かなり幅広い上肩甲骨というものが記載されているが、このモリアオガエルではそのような幅広い上肩甲骨が不明だ。
右のサークル内の真ん中の部分は複数の左右対称の骨からなっており、その部分が上肩甲骨になるのかもしれない。
さて、一番知りたかったのは、歯である。歯は脊椎動物では一番固いものなので、
化石としても残りやすいし、また、噛み砕かれて消化されることもないので、
食肉目の糞に骨片が混じっていた場合にも歯が残りやすいので、同定の決めてとなる。

えー、無い!歯が無いのだ!
エー???下顎には歯が無いが、上顎にはある。
哺乳類では歯が欠けるとすると、上顎の歯だ。「アグゥ」と咬む時に動かすのは下顎だ。
だから、ウシ科のカモシカやシカ科のシカは上顎の切歯は無いが下顎の切歯はあるからこそ
木の皮を根元から上に向けて引き剥がすことができるのだ。

このモリアオガエルの上顎の歯はこういうものだ。
無数の楔状の歯が並んでいる。
これは、下(アゴ)の方から撮ったものだ。 
こういう部分がテン糞の中から出てくればもう、判るかな?
でも、ヤマアカガエルやカジカガエルの歯はどうなのかな?

小学生の頃、外遊びで哺乳類以外の動物を捕まえてきては飼育しようとした。
しかし、失敗して殺してしまった。鳥なら50羽以上の孵化して間もない鳥を殺しただろう。
初春はオタマジャクシ捕りやカエル捕りが遊びであり、たくさんのオタマジャクシやカエルを
飼育できずに殺してしまった。
その反動だろうか?今は、カエルやヘビの骨や歯を見たくても、カエル一匹を殺せないでいる。

2 件のコメント:

  1. 写真の右の黒丸の中心は胸骨で左右から下に伸びているのが肩甲骨みたいですね。
    カエルの肩甲骨は二つの部位からなっていて幅の広い所は軟骨なので、経験上なくなることがしばしばあります。

    言われてみれば確かに哺乳類だと上顎の歯が消えますね
    もしかするとカエルは舌をおもいっきり出すので下顎に歯があると引っかかって邪魔だからないんじゃないですか?

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  2. ゆーゆーさんへ
    肩甲骨らしきものが右の黒丸の左右の上腕骨の付け根のところにありました。貴君のおっしゃるように二つの部位からなっていますが、ウシガエルのようなバカデカイものではありません。

    ヒキガエルの下顎なしの頭だけを持ってますが、コヤツは上顎に歯がありません。カエルの仲間の歯をもうすこし、標本を集めたい。

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