2015年2月20日金曜日

テン糞④の臼歯はネズミ亜科ではなくヤマネであった。 Molars in marten's scats④ are not Murinae, but Gliridae.


下図の16日のルートで見つけたテン糞④(↓の位置、標高850m)を水洗いして、
当初はネズミ亜科の切歯や臼歯が出てきたと思った。
テン糞④は10円玉の左右両方を拾ってきた。
水洗いすると大半が小動物の毛であった。小動物の毛があるときは、鉢受けに濾過した内容物を空けてから、水を少しくわえて、ピンセットで少量の毛をつまんで毛を細かく揺らして毛玉の中に含まれていると考えられる歯や骨片を鉢受けの中に落とし、固形物を落とした思ったらピンセットで摘まんで骨のように堅いものが無ければ毛だけを鉢受け外に出すという少々、否、かなり辛気臭く根気がいる作業である。 
上は、鉢受けにのこった骨片と歯である。
Mは臼歯であり、Iは齧歯目の切歯であることが分かる。
当初、Mはネズミ亜科の動物のものだと考えたが、咬合面がどれも平らに近い。
ネズミ亜科の臼歯に見られるような突起や谷がみられない。
Iは齧歯目の切歯であることは間違いないので、Mはヤマネの臼歯の可能性が高いとみて
過去に出てきたヤマネの臼歯と比較した。
I,Mはヤマネの歯で間違いなさそうだ。さらに、Iの下の穴が開いたような骨片は下顎骨の一部であることが分かった。
以下の過去ログを見て確認してください。
このブログ内検索で臼歯 ヤマネとキーワードを打っても見ることができます。
http://tanzawapithecus.blogspot.jp/2012/05/bone-teeth-of-dormouse-from-marten-scat.html
http://tanzawapithecus.blogspot.jp/2012/12/the-molars-of-dormouse-were-included.html
http://tanzawapithecus.blogspot.jp/2014/04/whose-teeth-are-these-muridae-or.html

 で、Nのカギ爪状の骨はヤマネの第一指骨でここにカギ爪が覆うということも判った。

リスやムササビなどのリス科の動物とヤマネはカギ爪をもつから
垂直の木の幹を登れるんですね。
いずれにしても、東丹沢一帯にはヤマネが結構な密度で棲んでいるんですね。

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