2014年9月7日日曜日

気になるシカの行動  The anxious behaviour of female Sika Deer.

今年になってから気になりだしたシカの行動がある。
それは警戒音である。
メスジカは人の姿を見つけると遠方からでも警戒音を出す。
そのために、対岸の斜面にシカがいるのを見つけることができる。
この警戒音を出すのは集団生活をしている動物の特異的行動であると考えていた。

カモシカは単独生活なので警戒音を出さない。
サルは集団生活なので警戒音を出す。しかし、群れから離れて生活しているハナレザルは警戒音を出さない。
クマも単独生活者なので警戒する音声は出さない。
しかし、子供連れの母グマは威嚇音を発する。
5日のTCA専門学校の丹沢実習で、先に林道を歩いていたOhkubo君が3頭のシカに出会ったが、
シカたちは声を出さないで沢側の斜面を下っていったようだ。
宮ケ瀬尾根では、ぼくが先頭を歩いていて「不思議なミズキ」に向かっていたところ、
2頭のシカを見つけた(上の写真だ)。判るかな?中央の樹の下にいる。
ぼくはしゃがんでシカだ!と小声で後ろを振りかえって言った。
2、3分見ていたが、彼らは警戒音も出さず逃げっていった。

シカが警戒音を出さなくなったのはどのような事が原因だろうか?
ぼくは、「まさかと思う事がある」。
ここ数年、丹沢ではシカの食害が目に余るので、シカの個体数調節のために
シカの射殺が猟期以外にも行われている。
シカたちは猟師に気が付くと警戒音を出す。
しかし、警戒音を出すと猟師に気が付かれて自分たちの位置を知らせることになる。
警戒音を出して射殺された仲間たちを見て、人に気が付いても警戒音を出さなければ射殺されないということを学習したのではないだろうか?そんなに早く学習するかな?

ぼくが学生の頃40年前のニホンザルは100メートルくらい離れた対岸の斜面にいても、
ぼくに気が付くと警戒音を発しながら皆一斉に移動したものだ。
でも、保護獣となっている今は警戒音を発しないし、一斉に逃げもしない。
シカの事、皆さんはどのように考えますか?

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