ゆーゆーさんからの指摘で、ぼくのズサンな標本管理が明らかになりました。
それは、ぼくがリス(ニホンリスSciurus ris)だと思っていたものが、
キタリス(S.vulgaris)だったことです。
1997年夏に大雪山登山をした教え子から登山道で拾ったというリスの死体をもらっていたのです。この頃、ぼくはアフリカから3年振りに帰国したばかりで、こちらの生活に逆カルチャーショックを受けていた時でした。当時は、アフリカに帰りたい、帰りたいと思っていたのです。
そんな精神状態の時にもらったキタリスの死骸が、いつの間にかリスをもらったことになっていたんです。ニホンリスなのかキタリスなのかをしっかり調べていれば良かったんですが、
頭骨最大長が45mmなので、ただそれだけでニホンリスと思い込んでしまったようです。
ぼくのリス(キタリス)の切歯の切れ込みを横からみる。
切歯の切れ込みを左に白銀林道のフクロウのペリットから出てきた切歯を貼り付けて比較する。
明らかに、キタリスの方が切れ込みが深いのが判る。
ニホンリスの切歯は横からみても切れ込みが浅い。
ゆーゆーさんありがとう。コメントで書いてくれたことに感謝します。
リスとして拙著「頭骨コレクション」(築地書簡)に載せたのが下の写真だ。
下顎も合わせて5か所で写真を載せる。
幸い、上の切歯に関係した話題は取り上げていない。
リスをキタリスと訂正したい。
ゆーゆーです。
返信削除週末から昨日まで小田原の講習会に参加していてコメントできませんでした。
切歯の研磨の差を種間の差にするのは早計ではないでしょうか?
自分は個体差、地域差、年齢差のどれかだと考えています。
象牙質は固い物をよく食べたり年齢が高いとよく研磨する傾向があります。また年齢が若ければ捕食者に捕まりやすくペリットから出てきてもおかしくはないかなと。
ただ資料、標本ともに少ないので断言できないのが歯がゆいです。
またキタリスは輸入種なので亜種のエゾリスの可能性が高いと思います。
自分のキタリスも飼育個体を骨にしました。
ゆーゆーさんへ
返信削除コメントありがとう。
歯のすり減り方は、個体差、地域差、年齢差があるのは確かですね。
キタリスと本土のリスの切歯の差はあるのか?ないのだろうか?
本土のリスの地域差の歯の摩耗はどの程度のものだろうか?食性が共通していると思われるので、その辺りの研究はどの程度なされているのだろうか?
ぼくが示したリスは本土のリスのものでなく、大雪山のリスは確実です。
ペリットから出てきた切歯は白銀林道のリスです。リスそのものの切歯の状態を知りたい。
安部永監修「日本の哺乳類」東海大出版会1999年では北海道にはキタリスの亜種のエゾリスが分布するとありますが、安部永著「日本産哺乳類頭骨図説」北大出版2007年では、キタリスとエゾリスは分けておりませんね。
飼育個体のキタリスを骨にしたとのこと、飼育個体だとあまり歯が摩耗していないかな?でも、見せてもらいたいですよ。