4月29日の伊勢沢歩きで、テン糞を4ヶ所で採集してきた。
3ヶ所の糞から、4~7センチのムカデが、体液だけがなくなった状態で1匹づつでてきた。
3ヶ所からは別々の脊椎動物を食べたと思われる骨や歯がでてきた。
そのうち、エ?本当?と思われるものを同定することができた。
8時3分の糞
8時4分の糞
上の糞をした個体と同一個体の糞だろう。 上の糞から3メートルくらいしか離れていない。
こちらの方が新しいので同じ袋に容れる。
これらの糞を一緒に水洗いした。
キブシの種子が多数とケンポナシの種子1個と果柄、ムカデ3センチ1匹、昆虫の上翅1枚と脚、
それと多数の哺乳類の毛と骨片や歯が出てきた。
始めはハタネズミの歯ではないからアカネズミか!と思った。
が、赤線で囲った3の切歯がアカネズミのものとちょっと違う。
2の臼歯を見た。ん?ん?なんだ?ネズミ科の動物ではない。
臼歯が4本並んでいる。
齧歯目であるが、ネズミ亜科でもハタネズミ亜科の動物ではない。
リス科かヤマネ科だ。
3の切歯の小さからすぐリス科ではないと判断した。
2の左の臼歯を拡大してみた。
ム!ムゥ!ム!歯冠の咬面に横に溝が入っている。
これは分るだろう。ネットで調べ、手持ちの図鑑を2つ調べた。
結論、これは、右上顎のヤマネの歯だ!
左上の方から第三臼歯で、右下は前臼歯だ。
これは、下顎の臼歯なのだろう。
どの位置になる歯は分らず。
ちょっと驚きだ。
ヤマネは札掛で鳥の巣箱を出入りしていたのを見ているだけだ。
冬眠から目覚めたばかりのヤマネだと動きも鈍いだろう。
しかし、テンはなかなかのハンターだ。
もう、次に丹沢に行くときはキブシの干からびた果実などは食べていないかな?
他、二つの糞の中からもアカネズミではない小哺乳類の骨・歯が出てきている。
丹沢の動物たちも休息に春の食物食いになってきている。
やらなければいけないデスクワークがあると、何故か他のことをやりたくなる。
中学・高校の時は月末・期末試験の勉強をしなければいけなくなると小説を読んだり、映画を見に行ったものだ。それが今も変わらない。
おお~、すごいですね。ヤマネも食べるんですね! 奥多摩でも意外と個体数が多いような感じなので、当然なのかもしれませんが、改めてこういう事実を前にびっくりですね…。
返信削除ぼくも驚きました。
返信削除ヤマネの頭骨標本を持っていないので、同定するのに手間取りました。
それにしても小さな臼歯です。
もし、これが4本並んでいなければ、同定できたかどうか、、、、。
決めては、歯冠の咬面の横溝があることでした。
この歯や骨片はヤマネの標本として大事にとっておきます。